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12/5 ナンテン
花言葉 福をなす よい家庭 私の愛は増すばかり
鬼門封じ 表鬼門にヒイラギ、裏鬼門にナンテン
鬼が入ってこないようにするために鬼が苦手とする棘のある植物を置くと言う
入ってこれないと言うことは
「もし既に入ってきているとしたら逃げられないってことだよね?」
「ひっひぃいいいい」
寝具の上に組み敷いた男ににこりと笑いかけ、人間にはないはずの頭に生えた角を撫でる
「っんあ?!そ、こはっだめぇ……!」
「ふーん。ここ、気持ちいいんだ。メモメモ」
片手をベッドサイドに置いたメモ帳に伸ばして、角は性感帯と書き残す。
「さて、次はどこを試そうかな。人間にはないところの方がいいよね。例えば……牙とか」
「やっやめっ!!!」
角をなでていた手を息も絶え絶えになった口に持っていき、指を突っ込む。
人間の犬歯よりもさらに尖った牙に触れる。
「んむっ……」
「あ、こら。口閉じちゃだめだよ。ちゃんと観察できなくなるでしょ」
口腔内を拡げるように人差し指と中指を動かす
「ふっ…ぁ……ん」
「もしかして牙じゃなくて奥の方が気持ちいい?」
「んんっ…ちがっ……んぐっ!?」
指を喉の入り口あたりまで突っ込むと苦しそうに喘いだ
少し苦しいくらいが感じやすいのかな。鬼だし普通の人間よりも丈夫なのだとしたらもっと奥の方に行っても……
思い切って喉の奥の方へと差し込んでいく
「っ?!?!ぅ?!?!おぇ……がはっ…げほ」
「あ、ごめんね。流石にやりすぎた?」
口の中から指を引き抜くと苦しそうに咳き込んだ
ここで意識を飛ばされてもなので、息を整えるまで観察してみよう
「ふぅ…ふぅ……はぁ……んん゛っ」
「大丈夫?そろそろ次行けそう?」
「っ!いっいけ、ない!もぅ、むりぃ」
「えーまだ全然序の口なのにもう?………まぁいっか、君はもうこの家から出られない。つまり、僕と君は家族になるってことだよね?」
「………か、ぞく?」
「そうさ!同じ家に住むんだからそれはもう家族だよ!あ、衣食住は心配しなくて大丈夫だよ!それなりに稼いでるからね!もしかして血とか飲んだりする?僕のでよければいつでも分けてあげるからいってね?むしろ飲む?て言うか、その牙で噛みついたりとかしてみない?ね?美味しいかもしれないよ?やってみない?」
肩をはだけさせて口元に近付ける、が顔を背けられてしまった
「ちょっ、やめっ。いらないっです……」
「ちぇ、じゃあまた今度ね」
「こんどとか、ない、し」
「そんなこと言わないでさ。お互いのこと色々知るためにも、ね?我慢せずに甘えていいからね?」
「がまん、とかでは…」
「ふふ。謙虚なところもかわいいね。やっぱり君にしてよかったよ。」
「ぼくに、してよかった……?どういう、こと?」
そうなのだ。俺は所謂見えるし触れられるタイプの人間なのである。これまでもこの家で何人かの鬼が通り過ぎていくのを観察していたが、中でもこの子が一番純朴そうで可愛らしかったのだ。一目惚れしたと言っても過言ではない。好きな子のことを知りたいと思うのは当然だろう?だから、僕はこの子と家族になろうと思ったのだ。
そしてその目論見は無事成功したってわけ。
今の少しだけのやり取りだけでもどんどんこの子に惹かれている。だからこれからもっともっと好きになるんだろうな。
好きな食べ物、好きなテレビ、好きな音楽とか。あ、もちろん、触られるのが好きなところとかもね!
「ふふふっ」
「ひいぃいいい。こわっ、こわいいいい!」
「これからいい家族になっていこうね!愛しの鬼くん?」
「や、やだぁぁぁぁあああ!!!」
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