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12/14 シネラリア

花言葉 いつも快活 喜び 「あ!みろよ!でっかい水槽だ!!」 魚のたくさんいるおおきな水槽を見つけて走り出す 「あっ急に走ったら危ないですよ」 手を掴もうとするが反応が遅れて空を切る 掴もうとした相手はどんどん前に進んで一瞬で水槽の前までついて泳いでいる魚達に釘付けになっている 走らない様に早歩きで後を追い自分も水槽の方へ向かう 「これで、年上とか…可愛いがすぎるだろ」 実年齢より幼くみえる見た目も相まって、一緒にいると大抵オレの方が年上に見られることが多いんだよな 「んー?なんか言ったか?」 「なんでもないです。ほら、それよりの餌やりが始まるみたいですよ」 タイミングよくイベント開始のアナウンスが流れてきて、水槽の中に餌が投げ込まれる 「おお!ほんとだ!ここからだとめっちゃよく見えるな…すげぇ」 キラキラとした目で水槽の中を見つめている彼 オレはその横顔をじっと見つめる 「……ほんとすごいかわいいですね」 「なー!魚ってすげぇよな!見ても楽しいし食べても美味いし!あ、寿司食いてぇ」 「ですね。見ても食べても……って、水族館で魚見ながら寿司食べたいって、なんかサイコパスみを感じる発言やめてください」 「あっはは、いやさ、魚が餌食べてるの見てたら、俺もお腹すいてきちゃって」 「単純」 「おまえ、それ馬鹿にしてるだろ」 こちらにジト目を向けてくる 「褒めてます。そういうところも素敵なとこだと思ってますから。オレは好きですよ」 目をしっかり合わせてにっこりと笑いながら返すと口をぱくぱくして顔を真っ赤にした 「おまっ!急に恥ずかしいこと言うなよな!」 「ははは、金魚みたいになりましたね」 「お前…絶対からかって楽しんでんだろ」 「揶揄うだなんて、オレは本気で言ってますよ?」 楽しくなってきて自分の口角がどんどん上がっているのを感じるがとめられない 「くぅっ!!無駄なイケメンスマイルを振り撒くな!!」 「大丈夫ですよ。こんな笑顔先輩以外に見せないんで」 「ふーん。あっそ……俺だけなんだ…ふーん…」 「なんか満更でもなさそうでよかったです」 先輩がちょっと嬉しそうな表情をしたのを見逃さなかった 「べっつにぃ〜そんなことないもんねー!それよりやっぱ寿司食いに行こうぜ!あ、海鮮丼でもいな。うーん、腹減った!」 「はいはい。確か近くの漁港のあたりにたくさんお店あったんで行ってみますか?気になったところ入ってご飯にしましょう」 「おー!!とれたて新鮮な海鮮か!いいな!そうしよう!そうと決まれば早く行こう!」 「あ、迷子になるといけないんで走らないでくださいね」 「ならねぇよ!てか、そんなに心配なら手繋げばいいじゃん。ん、ほら」 そう言って差し出された手を取る。 「よし!海鮮食べにいくぞー!!」 「ちょ!だから走ると危ないですって!」 結局走り出した先輩に手を引かれて急ぎ足で水族館の出口へと向かうことになった

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