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12/22 カネノナルキ

花言葉 幸運を招く 一攫千金 富 「今年こそ今年こそは!!!」 机に宝くじをならべ当選発表のサイトをひらく 上から順番に見ていく 違う… だめ… 惜しい 「あああああーーー!!!今年もダメえええ!!!!くそ!いつまで働かないといけないんだ!!」 一等が当たったら仕事なんか辞めてやるのに!! 悔しさで涙を流しながら床に項垂れていると部屋の扉が開けられた 「ちょっと兄ちゃんうるさいんだけど、隣まで聞こえてくるから叫ばないでくんない?」 「おお弟よぉぉ。傷心の兄を労ってはくれないのか。また年明けから社会の歯車として労働に励む兄を癒してはくれないのか」 「うるせ。てか、宝くじなんか当たるわけないんだから良い加減諦めて歯車になりきりなよ」 「ぐぅっ…弟が冷たい。昔はオレが対戦ゲームとかで負けたときは『おにいだいじょぶ?ぼくのおかしあげるからげんきだして』とか言ってくれてたのにぃいいい!!!」 「いつの話してんだ。はぁばかばかしい。とりあえず叫ぶのやめてよね」 そっけない態度のままがちゃんと扉を閉めて出ていった 「反抗期か…ついこの前まで兄ちゃんの面倒は俺が見るから安心してね。なんて言ってくれてたのに…」 かなしいなぁ…と思いながら弟が出て行った扉を見ると足元に多肉植物の鉢が置かれていた 「カネノ、ナル、キ…??………」 もしかしてオレが宝くじを知ってて… 居ても立っても居られなくなって弟の部屋に突撃する 「弟よおおおおおお!!!!!愛してるぞおおお!!!!」 「うるっさい!!!!」 そこには顔が真っ赤になった弟がいたとかいなかったとか

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