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12/24 ヤドリギ

花言葉 私にキスして 困難に打ち勝つ ヨーロッパの古い言い伝え クリスマスにヤドリギの下に立っている女の子にはキスをしてもいい たとえば男である俺がそこに立っとったとして この多様性がどうとか言われる現代において 果たして俺はキスしてええ対象になるんやろうか いや、あれやで?べつにして欲しいとかそういうのやないで?ほんまやからな?だれもそんなんまってへんし? クリスマスやからって色々調べて試してみたろ!とか思ってへんから! 「何1人で百面相してんの?」 「え?ああ!!い、いや!?なんにもないで?」 声をかけられてそちらを向くと到着を待っていた人が笑いながら立っていた 今日はクリスマスイブやから恋人であるこの男とデートなのだ って言ってもおしゃれなレストランとかそういうんやなくて仕事終わりにいつもの居酒屋でワイワイしよて感じなんやけどな 「そうなのか?でもあんま外で変な顔すんなよ。不審者だと思われるぞ」 「お、おん。気ぃつけるわ…てかそんな変な顔しとった?」 「うん。どう見ても変人だった」 「ま、まじかぁ……」 「まじ。ま、とりあえず行こっか」 彼はそういって歩き出す 色々と考えすぎて変な知識を仕入れてしもうたからやろなぁ 反省しながら先を行く彼の背中を追いかけ隣に並ぶ 「あーあと、キスして欲しいって顔してたから、あんまり俺以外の前でそういうのしないでくれると嬉しいかな」 「へ…え?!?!?!そ!そそそそんなかとおもてな「ほんと?」…………くぅ…おもてました」 きらきらスマイルの圧に屈してしまった 「正直でよろしい。じゃとりあえず…」 頬に柔らかい感触 「ええ?!?!」 まさかの不意打ちに飛び退く 「続きは帰ってからな?」 「え、あ、、う、うん?」 まさかの言い伝えが俺にまで適応されるなんて

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