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マッチ売りの娼年 5
「手を、離してください。おち〇ぽを俺のま〇こに入れないで」
「はぁ? わざわざそんな言葉を使うなんて悪い子だなぁ、むしろしてってことだろう?」
「違います、いやです。俺にはそんな意思はないです」
ガシガシと乱暴な手つきで擦られて、柔らかくて薄い皮膚はすぐに悲鳴を上げ始める。
気持ちよさよりも痛み、そして摩擦によっての熱を感じて少年は初めて人間らしく嫌悪の表情を浮かべたけれど、明かり一つない中ではその感情が相手に伝わることはなかった。
「やめてください、こんなつもりではなかったんです」
「 ハァ、っ……ハァ、ほら、さっき弄ったからもう疼いてるだろ? ここでこんなことしてるんだから、俺に気に入られたことを感謝するべきかもしれないね?なんたって俺はぜつり っ」
チカッと目を射た光に人影が呻いてうずくまる。
まるで明かりを嫌う幽霊のように悲鳴を上げてバタバタと地面の上で暴れてうずくまってしまう。
やっと乱暴をする手から逃れられて、少年は疲労を感じて追いかけるようにその場に崩れ落ちた。
目の前には黒い地面が広がっていて……けれど、そこにぱっと朱色の火花が散って、追いかけるように煙草の臭いがツンと鼻を突いてくる。
闇よりも暗い色をした爪先がか弱く見える煙草の炎を踏み消して……
それが視界の中で動いたと思った途端、ぱっと辺りが明るくなった。
煙草の火のように弱弱しいわけでも、マッチの火のように陰を深く落とさせるものでもないそれは、あまりにも白々しすぎる人口の明かりだ。
「な、 なに……」
ズボンを下げようとしていたのか、人影……いや、若い男の尻は半分が丸出しで、それを突き出すようにうずくまっているものだから笑いのネタに十分だったらしい。
二本目の煙草を咥えた男が懐中電灯を揺らして「あははは!」と大げさなまでの笑い声をあげている。
「なん、だ 」
「あー……、あんた、今この子をレイプしようとしてた?」
「は⁉ はぁぁぁぁ⁉ 失礼だろ! 俺達は同意の元ここにきて、共にそう言う気分になったから 」
『手を、離してください。おち〇ぽを俺のま〇こに入れないで』
『違います、いやです。俺にはそんな意思はないです』
『やめてください、こんなつもりではなかったんです』
男の持つヒビび入った携帯電話から流れるのは明らかに少年の声と若い男の声だ。
「やめてって言ってますけど?」
「や……それは、よく言うやつでしょ? プレイ的な? ちょっと嫌がってみせて 」
どん と煙草を咥えた男の足が振り下ろされて、傍にいた若い男は悲鳴を上げて飛び上がる。
「入れないでって言ってるのに、おにぃーさんは入れる気満々だよね?これってレイプだろ?なぁ、同意だったの?」
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