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雪虫4 12

 雪虫のナカはねっとりとして皮膚以上にふかふかとした感触だった、しかもただ柔らかいだけでなくよく濡れているからか粘膜が滑って襞がすがるように絡みついて、オレの理性を踏みにじろうとしてくる。 「あ゛っ  ぁ゛  ゆ、き、  た、耐えれないから、緩め……」  尻の筋肉が勝手に痙攣した。  体中の血が気持ちよさを求めて下半身の一か所に向かって集まっているのがわかる。  本能が、こうすれば気持ちいいんだと、こうすれば孕むんだと囁き続ける。  それを振り払いながら、ゆさり とだけ体をゆすった。 「んっ  はげ、し  」  ピストン運動にもならない、ただわずかに体を揺らしただけなのに、雪虫は大きく喘いで過ぎた快感を逃がすように首を振る。 「雪虫、こっち見て、雪虫。ゆっくりするから、ね? 激しくしないから」 「ぅ、ん゛っ……へいき。しずるの、お腹のナカで、いい子いい子してあげるね」  そう言うと真っ赤な顔で涙を零している雪虫はそろりと自分の腹を撫でた。  皮膚を挟んでいると言うのに、そうされると先端を弄られているような気になって…… 「あっ、ま、まず   っ!」  愛おしそうに腹を撫でるその姿に一瞬の隙を作ってしまった。  それでなくとも柔らかいのにきつく、オレを求めるようにして絞ってくる雪虫のナカが震えて……堪えきれなくてどくりと出してしまっていた。  雪虫の射精回数は一回……休憩をとって様子を見ながらなら二回まで許されている。  それはきっと発情期にあるΩにとってはかなり少ない方なんだと思う。  それを可能にしているのは雪虫のフェロモンの薄さとか、フェロモンをなかなか感知しにくいって部分だろう。  でもオレは人より何倍も鼻がいいわけで…… 「んっ……そうやって指を添えるだけでいいよ」  オレの言葉に雪虫は真剣な表情でオレの股間に手を伸ばして、雪虫に触れてもらえるってだけで期待して涎を垂らし始めたそれに触れてくれる。  本当は……させたくなかった。  いや、本音を言うならしてもらって、何なら顔とかに……と思わないわけではないのだけれど、夢を叶えようとするには雪虫は綺麗すぎて。  オレの体の、欲望にまみれた部分を触らせてしまうと汚れてしまうんじゃないか? 新雪に足跡を残すような、取り返しのつかないことをしてしまうのではないか? そう思うとオレは雪虫に自分の性器を触らせてしまっていることに対して罪悪感で押しつぶされそうになる。  そんなオレの心を知ってか知らずか……雪虫はオレのナニを興味深そうに、うっとりと眺めてくれている。

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