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赫の千夜一夜 9
セキは腹の中を大神の逸物でいっぱいにして揺さぶられて溺れるような快感を与えられるのも好きだったが、同じくらい拙いなりの技術で大神を感じさせるのも気に入っていた。
崩れることのないような粗くて硬質な表情がほんのわずか緩んで、自分を見て目の縁を赤くする。
この揺るがないような男の感情を揺さぶっているんだと、セキは胸がきゅうっと苦しくなるような甘い痛みに嬉しくなってしまう。
なんなら、こうやって大神のモノを咥えて息苦しさでぼんやりとしていると、それだけて達してしまいそうになるほどだ。
「 んっん゛っ! お、ぃ、し っ」
小さな口には入らないように見えるのに、セキはそれでももっと多くの場所で大神を感じたくて喉の奥まで迎え入れようと努力する。
「もういい」
「ぷはっ! そんな!」
ぐいっと頬を掴まれて、口からモノが逃げていくことにセキは抗議の声をあげた。
発情期が終わろうとも大神に何を言われようとも、体内にこの男の胤が入らなかった と言うことが不満だった。
いや、受け入れないとじりじりとした熱が収まってくれないのだと、セキは訴える。
「空っぽの胃に悪い」
「人間のたんぱく質だから、人間が消化吸収するにはいいと思います!」
なんの話だと顔をしかめる大神を押し切るようにセキは再びちゅうと股間に吸いつく。
「おい」
「じゃあ、諦めるんで代わりにナカにくれますか?」
狭いベッドの上だと言うのに、セキは大きく股を開いて秘された箇所を晒す。
大神の目に入りやすいように指で周りの皮膚を引っ張り、くぱりと誘うように穴を広げてみせる。
「……腫れている」
怒りを押さえつけようとしているかのような呻く声。
発情期で性的興奮が増し、精根尽き果てても交わり続けることができはしたが、だからと言ってむつみ合うのは生身のただの人間だ。
こすれれば皮膚にダメージが溜まり、薄く弱い部分から炎症を起こす。
大神は痛々しい赤みを見せるソコに目をやって首を振った。
セキ自身ではないために痛みの程度はわからなかったが、それでも触れれば痛みがあるのでは? と思わせるほど赤く腫れている。
「入れ 「気のすむまで舐めろ」
セキの言葉を遮り、大神はお手上げだとばかりに上体をベッドボードに投げ出す。
「こうやって開いておきますから、入り口にかけてもらってもいいんですけど」
細い指が卑猥に動いて自分の性器を広げていく様に、大神は唸りながら頭を押さえてしまった。
「これ以上、イライラさせるな」
「大神さんの魔改造チン〇ン、イライラしてるんですか?」
「ああ」
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