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赫の千夜一夜 11

 どこかの掃除用具の宣伝文句かのように言うと、セキは握りしめたままだった大神のソレにちゅちゅと短いキスをする。 「大神さんの粗相をキレイキレイしたげますからねー」 「下らんことばかり」  頭が痛いとばかりに大神は額に手を当てる。 「ちゅーっちゅっ!」  丁寧に大神のナニを舐めあげる。  今度は先ほどのように煽情的な動きではなかったが、それでも小さな舌で丹念に舐めあげられていく感触に、大神は頬を掴んでやめさせた。 「も、もうちょっと舐めてたいです」 「ふやける」  そうぶっきらぼうに言ってから、大神はセキを引き倒してのしかかる。 「ほら、どうするんだ? 飲んだら満足なのか?」  古臭さの目立つ天井を覆うような大神にセキはにこにこと笑顔を向けた。  そろりと透けるような白さを持つ両足を抱え上げると、今にも爆ぜそうなほど張り詰めた健気な股間と蜜を止めどもなく溢れさせて濡れている後唇を見せつける。    確かにソレは人の体から漏れた先走りだったし、愛液だった。  けれどΩだからなのか……それともセキだからか? 大神は強い甘い香りを感じて顔をしかめる。  発情期のように暴力的なフェロモンの匂いではなかったが、それでもフェロモンがわかる人間にとっては抗い難いと思わせるものだ。  散々、発情期ですり減らした理性をまたも酷使しなくてはならないのか と、大神は口をへの字に曲げた。  だからと言って、止めると言う選択肢はないのだけれど……        上がる嬌声に大神は顔をしかめた。  事前に窓を閉めておけばよかったが生憎と換気のために開け放たれたままで、木の縁は青い空を切りとり続けている。 「ひゃあっ ぁんっ! 大神さんのっ、真っ赤な……っチン〇ンっ! こすれて……ぇ、ぐりぐりしちゃらめぇっらめなのっ!」    太腿の間で扱かれる熱の塊にセキがいやいやをするように首を振る。  大神のシリコンが入っている部分が、太腿を摺り上げて通っている時に敏感なアナや会陰、そして玉……比べると恥ずかしくなるようなモノを一気に刺激していく。  セキにはその気持ちのいいはずの刺激が強すぎて、過ぎた快感から逃げるようにして身を捩る。 「逃がすか」  大きな体を使って上から抑え込まれてしまうとセキの体はおもちゃのように動かなくなる。  ただ持ち主の思う様に揺さぶられ、性のわだかまりを解消するためだけの存在のようで、人間性が消えたようだった。    堪えきれなかった涙が頬を伝うことだけが人間だと証明しているようで……   「ぁ゛っ 大神しゃ  やだ  」 「やだじゃあないだろう? お前は身動きできないくらい拘束されて、体重でプレスされて犯されるのが、好きだろう?」  大神の言葉は不遜だった。

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