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この恋は不幸でしかない 15

 息が詰まりそうなほどの濃いフェロモンが鼻をくすぐる。  差し込まれた舌は甘い唾液を纏っていて、それに咥内を犯されるとそれだけで腹の奥が疼くような…… 「 ふぁ  っみ、み  」  外の音が一切入り込まないように塞がれて、穂垂に聞こえてくるのは自分の体内の音だけだ。  東条が与えてくる舌が穂垂の口の中を我がもの顔で蹂躙していくぐじゅぐじゅと言う粘ついた音が、頭蓋の中に反響してわんわんと責め立てるようにこだまする。 「 ぁ゛────っ」  気が狂いそうなほど穂垂の感覚はすべて東条に掴まれ、揺さぶられ、翻弄されて弄ばれる。  やがて、その状態に穂垂はじわりと腹の奥が焦れる感覚を覚えて……  東条に溺れそうになって縋りつくと、褒美のように咥内の敏感な部分をくすぐってくる。  そうするとまた再び溺れるように東条の与えるものに溺れてしまい、再び縋りついてを繰り返す。  ずぶずぶとからめとられて沼に引きずり込まれているかのような、そんな気分だった。  筋肉が意識に従わずにぴくりぴくりと痙攣するように動く。  その度に自分を穿つ杭がミシリ ミシリ と体を割り開きながら入り込んでくるために、穂垂は懸命に足に力を入れ直さなければならなかった。  必死に食いしばり、泣きそうになりながら抵抗しようとする穂垂を下から見上げて、東条は微笑ましいものを見ているように柔和な表情を浮かべている。 「ほら、頑張って。貴方が跨って、貴方が腰を振っているのだから」 「っ  ン、んんっ  っも、や だ  」  悔しそうに声を漏らすも、穂垂の体は意思を裏切ってその行為をやめようとはしない。  しっかりとした逞しい腰に跨り、自ら体の奥へと東条の起立を招き入れ……  心臓を内側から引っ掻かれ続けているような焦燥感に押されて、この男のモノを深く咥え込んで射精させなければと頭の中はそればかりだった。  腹の中にはもうすでに溢れ出すほどいっぱいの精液が入ってはいたけれど、それでも欲しくて堪らなくて強請るように穂垂は無様に腰を振る。  けれど、経験のない穂垂のテクニックなどあってないようなもので、自分の中にソレを沈めることすら困難だった。 「ぁ、 ァ、んっ」  悩ましい声を漏らしながら、へこへこと東条の上で腰を振るもそんな動きではお互いに、あの目の眩むような快感を受け取ることは難しい。  東条は穂垂が我を忘れて自分に欲情している姿を堪能することも楽しめたけれど、発情期明けの興奮の残る体はもう少し強い刺激を望んだ。 「穂垂」 「ひ、 ぃン!」  名を呼ばれた瞬間、びくんと激しく穂垂の背中がしなる。

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