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0.01の距離 23
俺の視界の中はもうミントだけが占めていて……
「 ────っ」
ぢゅ と吸いつくとミントの体が反射的に仰け反って逃げようとするから、腕を掴んで半ば力ずくて引き寄せる。
吐いた息と白い肌の間でこねくられた赤い粒はぷるりとしているのに硬く張りがあって、舌をすり抜けるように動く。
塩気があるのに、なぜだか酷く甘い。
俺が動かす舌の動きにミントの体は跳ねるけれど、膝の上から転げ落ちるような暴れ方はしなかった。
まるで小さな子供のように胸に吸いつく俺を、熱に潤んだ瞳が黙って見下ろしている。
逃げられないように片手で腰を引き寄せて舐められないもう片方の乳首を指先で摘まみ上げた。
「ぁ、っ! まこちゃ っりょうほ、う、ダメっ」
今にもひぃんと泣き出しそうな声で言うから、仕方なく唇を少しだけ離す。
二人を繋いでいた唾液が蜘蛛の糸のように銀色の筋を残して、あっという間に途切れる。
ほんの一瞬、お互いに窺うように視線を絡めて……何か言い出す前に一気にミントを押し倒す。
腰を摺り寄せて俺のでミントの股間を擦ると、乳首の時と同じように布越しに緩やかな硬さが伝わってくる。
「……ち、ちが……これは、ファールカップだから 」
「なんでだよ」
苦笑しながらゆさりと体を揺すると、お互いのが擦れてますます硬さが増す。
防御用のファールカップでは起こらない反応に、にやにやとからかうような笑みを向ける。
ミントは潤んだ瞳のままぶるぶると震えていて、今までならすぐに怒り出しそうな様子だった。けれど、今俺の下にいるミントは逃げ出すわけでもなく、恥ずかしさでわけのわからないことをいうでもなく、大人しくされるがままに乱れて倒れていた。
そして、ミントと同じように俺の手も小刻みに震えていて、惑うようにミントの肌の上を這う。
押し倒して、それから?
正直なことを言ってしまうなら、俺はこの先の知識がない。
いや、知識はある、経験がない。
親父へのコネクション目当てで寄ってきた奴らにはハニートラップを仕掛けてくる奴も大勢いて、安易にそんなことができないという環境だったし、目的のためならば手段を選ばない奴らと関係するのはごめんだと、そういうことから遠のきすぎたから、俺にセックスの経験はなかった。
愛撫……は、先程のでいいのか?
入れるために肛門にも触れた方がいいのか?
何をすればいいのか混乱しているのをミントに悟らせないように、まずはのしかかってキスをしようとした。
いつも生意気なことばっかり言う口だったけれど、涎を纏わせてうっすら開いた唇は色っぽくて官能的だ。
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