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0.01の距離 24
乳首と一緒で甘いんだろうってわかる。
「 ────っ⁉」
ぺちん と顔を押さえられて目を瞬く。
もう少しで触れるって思っていた唇は、ミントの掌と密着して寸でで止められてしまった。
なんでだ⁉ って言葉に出す前に、泣き出しそうなくらい潤んだミントの瞳が俺から逃げるように逸らされる。
もう、絶対っていいほどの拒絶だ。
「…………ごめ、ん?」
ミントも感じてたから同意 なんて言い訳をする気はなかったけれど、ここまでしておいて今更という思いはある。
口の中にはまだミントの肌の味が残っているし、触れ合っている部分はお互いに硬い。
「 ぁ、そ、じゃ、なくて……」
そう言いつつもミントははだけたジャージの前を掻き合わせて肌を隠してしまう。
目の前で取り上げられてしまったご馳走に、落胆と戸惑いを隠せないまま両手を上げた。
「ごめん……」
謝罪の内容を考えようとしたがうまく頭が働かない。
無理やりしてしまったこととか、嫌なことをしてしまったとか、同意がないなら最低なことをしたとか、いっぱい浮かんでくるのに言葉にならずに掻き消える。
いつの間にか、俺は無条件にミントが俺を受け入れてくれるものだとばかり思っていたけれど、そうじゃなかったんだ とそのことばかりがのしかかった。
「 ご、め 」
自分勝手だったし、ミントが傷ついたことを思えばしっかり謝罪しないとと思うのにぶるぶると唇が震えてうまく喋れない。
さっきまで熱くて仕方なかった指先が冷えて、嫌な汗がじわりと肌に滲む。
「まこちゃん! ちがっ違うの!」
慌てて伸ばされたミントの腕が乱暴に目を擦り上げてくる。
その時になって初めて泣いていたんだって気づいて、小さな子供かよって自分自身を馬鹿にした。
ジャージの袖でごしごし遠慮なく擦ってくるミントは、さっき俺に襲われていた人間の様子ではなくて。こんな時だっていうのに俺に気を使って平気そうな態度を取っているのかと思うと、更にじわりと涙が滲んでくる。
「ごめ ごめん、ミント。嫌なこと、した 」
「ヤじゃない! ヤじゃないよ!」
至近距離で怒鳴られて、内容よりも耳の痛みの方が勝った。
思わず顔をしかめて仰け反った俺の方へと、ミントはずい と乗り出してくる。
そうすると、名残のように赤い目の縁とか上気した頬とかが目の前に迫って……
「チューは、心の準備ができてから ね?」
そう言うとミントは俺の肩に顔を埋めて……何を? って思っていると股間を触る感触がして息が止まった。
呼吸を止めると体内でドキドキと大きく脈がリズムを刻んで……
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