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0.01の距離 25

 心臓がうるさいって怒鳴りそうになったところで、俺のじゃない手がズボンの中に滑り込んできた。 「  は?  は……?」  俺に正面からもたれかかるミントの手が、二人の間でごそごそと動いているのはわかる。  だけれども、肌から感じる感触を考えれば……ミントは俺のナニを引きずり出して触っているようだ。  熱の名残を残してむわりとしたズボンの中から引きずり出された愚息は、先程の悲しみとひやりとした空気とにイジメられて萎れてしまっている。  なのにミントの滑らかな肌の感触を感じだ途端、ぎゅん! と元気に立ち上がってしまった。  それはあまりにもな興奮で、脳味噌に血が足りなくなって貧血を起こしそうになったくらいだ。  いつも携帯電話を掴んで離さない指先が今、俺のを掴んで緩やかに撫でているんだと思うと先程までの絶望なんて消え失せて、高鳴る鼓動ばかりが体の内を満たすようになる。 「ミン 、ミント⁉」 「わ、ゎ。まこちゃ  信さまの、や、ちょ  」  慌てた声と共にぎゅっと握り込まれて悲鳴を上げると、ミントははっとして手を離す。 「だ、だって、     」  大きいから と恥じらうように呟かれてしまうと、更に血が下半身に集まってしまって視界が回りそうになる。 「ま、待ってね」  そう言うとミントは口の中でくちゅくちゅと唾液を溜めて、それをたらりと垂らし始めた。  銀の糸の到着先はミントの手に包まれている俺のナニで……  止められたはずなのに、ゆっくりと垂れていく唾液を俺は見ているだけだった。  先端の柔らかな皮膚に銀の糸が触れた瞬間、痺れるような感覚が背筋を駆け上がる。 「っ 、っっ!」 「  んと、これで、  」  まるで初めての実験でもするように、ミントは真剣な顔で両手で包んだナニを扱き始めた。  細い指の間から唾液と先走りの混ざったものがぷちゅぷちゅと可愛らしい音を響かせて、追いかけるようににちゃりと粘つく音を上げる。  ぞわり と脚の内側を駆け上がってくる衝撃に息を詰めていると、ミントがジャージのポケットから四角い包み紙を取り出す。  メタリックな黄緑色のそれは親から持っておくようにって渡されたのと同じ物で、俺は財布に入れてあった。 「今、ゴムつけるから待っててね」  たどたどし……くない手つきでミントは俺にコンドームを装着させると、制止の間もなくさっと俺の股間に向けて顔を伏せてしまった。 「……は?」  もうさっきから何が起こっているのか、自分の身に起こっているのに置いてけぼりにされている感が拭えない。  けれど、これだけははっきりとわかる。  俺、ミントに咥えられてる。

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