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0.01の距離 28
まったく気持ちよくないのに、体だけは摩擦でどんどん高ぶっていく。
俺の力が強すぎるからかミントは逃げようとしないまま、すがるように俺の足にしがみついたままぎゅっと体を縮込めている。
容量が増して苦し気に声を漏らすのに、ただ耐える姿に俺は……
「 ────ぅ 」
喉奥を突かれた反射でミントの喉がぎゅっと締まった瞬間、冷めた心を凌駕する快感が押し流すように俺を襲う。
引き抜くとか、外に出すとか、なけなしの理性で考えていたはずなのに、気づけばミントの口の中にわずかな遠慮もなしにどくどくと精をぶちまけてしまっていた。
ガクガクと勝手に震える腰に合わせるように、掴んだままの小さな頭が揺れて、苦し気に背中が大きく波打つ。
溜まっていたせいもあるからか、俺の射精は酷く長くて……なのにミントは最後の一滴を注ぎ込むまで抵抗らしい抵抗はしなかった。
「っ……っ…………」
体内を巡っていた凶悪な熱が過ぎ去って、それらをすべて注ぎ込んでしまった俺に残されたのはやらかしてしまったことに対する罪悪感だ。
「っ……、み……」
噎せるように激しく体を震わせて突っ伏するミントの背中に、なんて声をかければいいのか?
同意も得ずに無理やり押さえつけて口の中で果てるなんて所業は、死刑になってもおかしくない行為だ。
「みん と?」
恐る恐る声をかけると、激しく動いていた背中がいきなり跳ねた。
辛うじて避けることができたが、顔のすれすれを通って行ったミントの頭はぶつかるとかそういったことを考えていない動きだった。
先ほどまで掴んでいた柔らかな癖っ毛が頬を叩いた後のむず痒い痛みに、思わず頬を押さえてうずくまる。
「 ……ミント、その……」
苛立ちから無体なことをした なんて言い訳にもならない。
けれどミントが、俺になんの感情も持ってないんじゃないかって思うと、頭の中が真っ白……というよりは真っ黒に塗りつぶされて何も考えられなかった。
少しでも俺のフェロモンが染み込めば、俺のものになるんじゃないかって幼稚な思いで……
────ぺち
鼻先を叩いたのはぬるりとした感触だった。
「っ⁉ っ、っ!」
ぺち、ぺち、と粘ついたもので叩かれて、とっさに手で払うと床に薄いピンク色のものがべちょりと張り付いた。
「 ~~~~っ」
少し前まで俺のナニについていたそれを、ミントはもう一度掴んで振り回してくる。
「は? ぇ、ちょ、や、止めろってっ」
ゼリーのぬるついた感触とかついていた液体とかが飛び散って、黙って殴られようと思うもそんな状況じゃない。
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