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最後に口にものを入れたのは……まこちゃんの濃くてとろとろとした精液だ。
「んー……」
小さくクルル と音を立てるお腹を擦って、もう消化されちゃったかな? と残念に思う。
それと同時に、まこちゃんがオレの体の一部になってるんだって思ったら嬉しくて、お腹を抱えてもじもじと体を揺すった。
どうせならもっと欲しかった。
いっぱいいっぱい浴びるほどまこちゃんが欲しいと思う。
なぜなら、オレはまこちゃんの番なんだから。
オレがまこちゃんの家に引き取られたのは小さい頃。
パチンカス&暴力と借金のオンパレードだった父親から引き離すために旦那さまの屋敷で暮らすことになった。
父親のことがひと段落するまでオレ達はその屋敷から出ることは許されなかったけれど、初めての場所だし広いし見たことがないものが沢山あるしで退屈はしなかった。
子供も多かったから皆で朝から晩まで遊びつくして、三食におやつに食べさせてもらって天国かなって思ってた。
その中でも特に仲のよかった子供がまこちゃん。
イジワルもしてこないしからかってきたりもしない優しさに、オレはすぐに好きになった。
だからまこちゃんが首を噛んだ時も大人たちが慌てるような感情はなくて、ただただこれでまこちゃんの番になれたんだってことが嬉しくて……まぁ、まこちゃんは旦那さまにしこたまボコられてどうやら覚えてないようだけれど。
消えてしまったけれどオレの首筋にはまこちゃんの歯形があって、オレはまこちゃんの番だ。
「オレっがっ つが、 番なのに っ」
ぎりり って持ってた木の枝を噛んでも、そのΩはまこちゃんの傍から離れない。
それどころかまこちゃんの腕にぶら下がるように引っ付いて……まこちゃんも満更でもなさそうだ。
ナニ⁉ あれ!
ナニ⁉ 浮気⁉
ちょっと帰ってこないと思ったら、浮気⁉
空腹に耐えかねてまこちゃんの大学まで探しに来て……こんなのを見てしまうなんて……
「……あ。あの匂いのしてたオメガかな」
一際フェロモンがべったりとついていたあの日を思い出して、あの日もこんな風に他のΩと仲良くして帰ってきたのかと思うとツンと鼻が痛む。
「やっぱオレが……ヒートこないせいかな」
定期的に発情期を迎えるのがΩだ。
それの起こらないオレはフェロモンも薄くてΩとは呼べないのかもしれない。
「あんないい匂いつけられてたから、まこちゃん興奮しちゃったのかな」
ちょっとだけでも、オレとそういうことしたいとか思ってくれたのかなって嬉しかったけれど、あのΩのフェロモンにあてられただけだったのか……
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