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「クソっ! いい加減にしろ! お前が嫌だって言ったんだろ!」
耳元で怒鳴られて、鼓膜がわぁんわぁん鳴って脳味噌が揺れる。
「お前がっ ……拒んだんだろ」
食いしばりながらそう言うと、まこちゃんはオレを抱き上げてふらふらと歩き出す。
「 っ、シェルターの場所わかる? こ、こっちは片づけておくからね」
「……ああ、頼む」
低く絞り出す声は人を怖がらせるってまこちゃん本人もわかってるだろうに、返事は今まで聞いた声のどれよりも低い。
初めて会った時はちっさかったから、お互い今よりも随分声が高かったんだけど……いつの間にか大人の声になってたんだよな。
同じくらいの背丈だったのに、気づけばまこちゃんだけにょきにょき伸びておっきくなって、オレをすっぽり包めてしまうくらい腕も長くなって……
「中に入ったら、鍵をかけろ、いいな?」
体を引きずるようにしてオレを抱いたまま向かった先は、重そうな扉だ。
公共施設に備え付けられてるΩ用のシェルターだけれど、こんなに近づくのは初めてだった。
まこちゃんはそこをふらふらしながら開けると、オレを放り出すように下ろそうとして……
「っ 離せって! お前っ状況わかってんのか⁉」
ぐら と頭が傾ぎそうになるのを堪える様子で怒鳴るまこちゃんの腕にしがみついて、オレはできる限りはっきりと首を横に振った。
「バカだバカだと思ってたけどホントにバカだ!」
「ばか、なのは……しってる」
頭の出来が悪いのはよくよくわかってる!
「離れるのやだ、まこちゃ……お願い、 なか なか 」
「俺まで部屋に入れるわけないだろ⁉」
「うぅん、 まこちゃ ので、オレのナカいっぱいにして欲しい」
「バカ―っ‼」
叫んでオレを引きはがそうとする手を離さないように力を込めた。
もうオレの体はへにゃへにゃで、一度はがされたらそのままだってわかってるから……
「 まこちゃ、今日はだいじょぶ ちゃんとおふろ はいったし、歯もみがいてるし 」
「何言ってんだ⁉」
「あと、あと それから、 ン、と、そうだ、 オレ、やっとヒートきて……」
溶けた頭でぐるぐる考えても何もいい言葉なんて出てこない。
「だから、まこちゃんの番にして」
シンプルが一番いい。
犯して欲しくてたまんない頭の芯がもっとエッチな言葉を言わせたかったみたいだけど、まこちゃんにぎゅってされて息もできないくらいだから言葉なんて何も出なかった。
「おっ お、おまっいい加減にしろよ! なんでそんなことばっかり言うんだ! 畜生! 俺が抑制剤打ってて感謝しろ!」
蹴りつけるように扉を閉めて鍵を下ろすと、まこちゃんはふぅふぅ言いながらオレをベッドに運ぼうとする。
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