441 / 698
はいずる翼 50
「これくらい摂取すれば効果もあるでしょう」
「一度に多量よりも継続が大事とも言いますし」
口も周りの涎を拭いながら、獣のように見える客たちがかしこまってそれらしいことを言う。
『出すもの出したしすっきりした』
『気に入ったのでまたやりませんか?』
言葉の裏を読み取って、うんざりとする。
出禁にしてやりたかったが、小金井の様子だとそれも難しいだろう。
「では、最後に私が遊んでもいいでしょうか?」
オレの潮を甘い甘いと言っていた男がふらふらと足元にやってくる。
こちらとしてはもう何度も潮を吹かされて、ちんぽの先は向けそうにひりついているし体中は勝手にカタカタ震えるほど疲弊している。
「な ん、 そんな、がっつかんでも……」
「はは、やりたいって言うよりはさ、 壊したい、だろ?」
「 は?」
何 の問いかけの前に男は他の二人と違って勢いを衰えさせていないナニを突っ込んでくる。
ぽかりと閉まらなくなっていたソコはあっさりと受け入れて、ナカを好き勝手させるけれど……
「はは、随分緩いな。大神のせいかな」
「ぉ お客さんらの せい、やって 」
事前に薬でも飲んでいたのか、この三人の勃起時間は異様だった。
かわるがわる犯し続けてくれたおかげで、下半身には特に力が入らない。
「ははは 普段あれだけ高尚ぶってても、結局オメガ相手に腰振ってるんじゃ、説得力ないよな?」
「ふ、ぅ ン、んん 」
好き勝手に動き回る乱暴な腰つきは、気持ちいいよりも前に苦痛が先に来るテクニックだ。
「お 大神は、オメガに何してるん?」
「あ? 保護とか社会進出についての云々をー……って表向きでやってるけどな」
「……」
「お前、知ってるか?」
男がいやらしく笑い、指先を喉元に突き立てた。
そしてそのまま痕が残るくらい強く、指先を臍まで動かす。
「オメガの内臓は移植に最適なんだ」
「 は?」
「綺麗な、オメガの、内臓は、拒絶反応が出ないんだ」
いきなり言われた言葉は、ベッドの上での話にしては物騒すぎる。
「すごいだろう?」
「ぇ、あ、 」
凄い凄くないっていう、そんな単純な話でないことは、そちら方面に明るくないオレでもわかった。
臓器移植は今までも様々な取り組みがなされて、死に瀕した人間を救う技術の一端として研究されてきた事柄で……
「医者とつるんで、随分と儲けているようだな? そう……嘘かホントか。特別なオメガってのがいて、特別な力を持ってるオメガもいるらしいな?」
問いかけ方は軽かったけれど、笑っていない目の奥を見れば彼がそのことを真実だと思っているのがわかった。
ともだちにシェアしよう!

