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落ち穂拾い拾い的な 結局好きが勝つ 1

 αの傍にいる姿を見た瞬間に頭に血が上った。  殴り掛かろうと一歩踏み出す前に、巳波がこちらに来てくれたおかげであのαは命拾いしたんだ……けれど、それはそれで巳波があのαを庇っているようで面白くなかった。  散々「ごめんなさい」を言わせて、勝手に部屋を出たお仕置きをしたけれど、俺の心はいまだに波打ったままだ。  簡単な軽食を持って部屋に戻ると、すんすんと鼻を鳴らしながら巳波は枕を抱え込んで寝てしまっていた。  うっすらと手形のついた尻を上げて、規則正しい寝息を立てている。 「靴もないのに……飛び出して……」  足の裏は小さな傷ができてしまって、赤く腫れて痛々しい。  出ていかなければこんなことにもならなかったのに……  叩かれていつもより熱を持った尻たぶに薬を丹念い刷り込み、もう一度チューブを押してから今度は最奥へと指を滑らせる。  きゅっと窄まってはいたが黒いアナルプラグに押し返されて、きゅうきゅうとひくついていた。  そこに薬を塗りこんで、ゆっくりと広げては戻し、縁をなぞっては少し引っ掛けるようにして伸ばす。  アナルプラグとアナの縁から白い液体が溢れ出し、会陰を通って草臥れた巳波のち○こを濡らしていく。 「ああ、こぼれちゃった」  しっかりとハマったアナルプラグをぐりぐりと動かしながら引き抜くと、巳波が小さく身じろいだ。でも起きる気配はない。  ちゅぽ と名残惜しげに音を立てるアナから引き抜き、ぽっかりと口を開いたまま閉まらなくなった窄まりに指を伸ばす。  さっきの薬とナカからどんどんと溢れ出してくる精液のせいでそこはもういつでも迎え入れられるくらいに蕩けているから、サイドテーブルに置いてあったビタミン剤を手に取る。  中身は媚薬だ。  一粒でも十分って説明は受けていたけど、いつも通り三錠取ってそれをアナへと押し込む。  ほぐれたアナはねっとりとしていて反射的に締め付けてくるくせに驚くほど柔らかい。  奥へと薬を押し込んでからもう一度アナルプラグを押し込むと、大袈裟に体が震えて巳波が目を開けた。 「ぁ……んっ……喜多さ…………」 「おはよ。怒ってごめんね、お詫びに巳波ちゃんの好きなご飯用意したよ」 「好きな……ツナおにぎり?」 「ごめん、たまごサンド」  以前作った時に、食いつきが良かったから好きだと思ってたけど、さらに好きなものがあったみたいだ。 「たまごサンドも好きだから、許してあげてもいいけど」  泣いて赤くなった目をすがめ、つんと唇を尖らせて拗ねた様子で巳波は言うと、ゴロリと体を転がす。

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