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第2話
「大丈夫、奏が半分食べるから!」
奏は確定してんのかよと苦笑し、俺の持っている綿菓子にかぶりついた。
間接キスだなんて小学生みたいなことで喜んで、俺も綿菓子を食べた。
結局、すぐお腹は膨れてほとんどを奏に食べてもらった。
食べれないなら買うなよって言われたけど、奏と一緒に食べたいんだよっていう本音はそっと
心にしまった。
会場から少し離れた公園に2人で座る。
中学の時に見つけた2人だけの穴場。
2人で並んで見た花火はとっても綺麗でまるで奏みたいだと思った。
「きれいだね。」
「きれいだな。」
奏の方がもっと綺麗でもっとかっこいい。
帰り道、あんなに多かった人はいなくなり、奏とわかれる十字路まで来てしまった。
はぐれないようにって握ってくれた手はまだ繋がっていて、奏も俺のことちょっとは好きなの
かななんて少しにやけた。
そんなちっぽけなことが俺にいらない勇気を与えた。
「奏。話があるんだ。」
久しぶりに真面目に話したからか、奏は戸惑いながらおうと返事をしてくれた。
「中学のときから、……ずっと好きだった。俺と、つ、付き合ってくれませんか……?」
奏は一瞬眉を寄せ、顔を歪めた。
初めて見る顔に呼吸が止まった。
でも、だめだ。
必死で笑顔を作った。
笑顔ってどうやって作ってたっけ?
これであってるの?
「ちょっ、何本気にしてんの?男同士とかキモいっつーの。冗談に決まってんじゃん、じょーだん!てか、もう俺帰るわ!今日はありがと、楽しかった。じゃあな!」
奏を見るのが辛くて、走った。
急に走ったら、おかしいって思われるじゃん。
でも、止まることなんてできなかった。
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