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第3話
自分の部屋に駆け込みベッドに倒れこむ。
好きって言った時、ほんとに気持ち悪いものを見たって顔してたなぁ。
男に告られるなんて気持ち悪い。
そんなこと知ってるし…。
…知ってるけど辛かった。
やっぱりな、なんて自分を笑ってごまかしていた。
「倫、目腫れてるぞ。どうした、昨日泣いたの?」
朝、ドアを開けたところで兄貴に出会う。
親のいない俺にとって兄貴は親で親友で憧れなのに…
「兄貴には関係ないだろ!」
ついつい大きな声を出してしまう。
「昨日は奏と祭りに行ったんじゃないの?奏となんかあった?」
兄貴は優しい。
それに、勘がいい。
優しくていつも俺のことを考えてくれてる兄貴にこれ以上八つ当たりできるわけがない。
「奏と友達やってんのに疲れた……」
「奏のことを嫌いになった?違うだろ?」
綺麗な顔で困った顔をされ、泣きそうになる。
「俺が奏の信頼をうらぎった。」
兄貴はそっかとだけいい、そっと俺の頭を撫でた。
夏休みはあと半分も残っていたのに、奏とは一回も会わなかった。
いつもメッセージを送るのは俺からで、遊びに行くのを決めるのも俺から。
またくだらないことに気づいて落ち込む。
補習で会えないって俺からのメッセージでラインは終わっていた。
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