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キモチワルイ

「んんっ....」 なんか、身体が痛い....。 そうだ!アンパンマン!! バッと起き上がるが近くにヤツの姿はない。 しかも、ばいきんUFOの前に寝ていて、近くには丁寧にケーキが置いてあった。 なんだ? 俺様を懲らしめるのが目的じゃなかったのか? まぁ、いい、早く戻ろう。 ドキンちゃんに怒られる。 そう思ってばいきんUFOに乗り込もうと脚を掛けた瞬間、俺様の中でナニかが動いた。 「ひぁ!?」 咄嗟に手で口を押さえる。 なんだ、今の声。俺様が出したのか? それもそうだが、1番気になるのはまだ俺様の中で動いているモノだ。 明らかにそれのせいで変な声が出ている。 「んっ、なんなんだよっ....クソッ」 「どう?ローターは、気に入った?」 「はぇ?」 「プッ....なに、その、変な顔、フフッ」 なんで、コイツがここにいるんだ? さっきまでは誰もいなかったのに....。 「そこの物陰からずっと見てたんだよ。にしても、随分と辛そうだね?」 そう言ってニヤニヤしながら俺様の口元を指さしてくる。 声を押さえてる事を言いたいんだろう。 「やっぱりっ、んっ....お前の仕業かっ」 わざわざばいきんUFOの前まで連れてきて、ケーキまで持ってきてくれていい奴だと思ってたのに。 やっぱり、イヤな奴だ。 「まあね。気持ちイイでしょ?」 「キモチワルイ!」 ヴィィィィン 「んあっ!?ひぅっ....ぁ、あ!なにっして....っ」 中のモノが振動を強くした。 何しやがったコイツ!! 「気持ちよくないって言われちゃったから、2にあげてみた」 そう言って見せてきたのは何かのリモコンのようなもの。 1~5までの数字がふってある。 「早くばいきん城まで連れて行ってくれないと、5まであげちゃうよ?」 そして、ニコリと笑った。

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