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助けてくれ

「着いたっ....ぞっ」 やっと着いた、その安堵と共に敵に自分達の本拠地を教えてしまった事の重大さを実感した。 俺様は一体なにをしているんだろう。 3にあげられて、あっさりコイツを連れてきてしまった。 こんな事ではリーダー失格ではないだろうか。 「じゃあ、案内頼むよ。君の部屋まで」 「はあ!?ふざけんな!」 何をぬけぬけと、ぜってぇ教えねぇ!! 「ふーん、じゃあいいよ。自分で行くから」 そうしろ、と言おうとしたが、それは言葉にならなかった。 カチッ 「んあぁぁぁぁぁ!!」 立っていることすらままならなくなって、その場にへたりこんでしまう。 「大丈夫?」 ニヤニヤしながら聞いてくる、コイツの横っ面を思いっきり張り倒してやりたい。 「あっ、んふ....だい、じょっぶ、だ....!」 ここで大丈夫じゃないと言ったらコイツに負けを認めるようで嫌だ。 「そう?じゃあ、行こうか」 そして、半ば引きずられるようにしながら、ばいきん城へ脚を踏み入れた。 「おかえりー、ばいきんま....」 固まってしまうドキンちゃん。 そりゃそうだろうな、アンパンマンに引きずられながら帰ってきた訳だし。 「ど、どうして....」 「ばいきんまん、熱があるんだ」 え? コイツ何言って....。 「悪いんだけど、ばいきんまんの部屋教えてくれないかな?連れていきたいから」 そうかコイツ、俺の部屋に入る口実を....! そうはさせねぇ! 「ドキンちゃ....」 「突き当たりを左よ、ばいきんまん大丈夫?」 ドキンちゃんが俺様の心配をしてくれてる。 思わず、頷いてしまった。 「悪いんだけど、洗面器に水を張って、タオルも持ってきてくれるかな?」 「わかったわ」 「薬飲ませたいから、台所借りるね」 「お願い」 そのまま洗面所へ向かおうとするドキンちゃん。 違うんだドキンちゃん、コイツは嘘をついてるんだ。 頼むから戻って来て。 頼むから、 「助けてくれ....」 俺様の声はドキンちゃんには届かなかった。 ただ、俺様の声を聞いて隣に立っている奴は笑っていた。

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