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キスして欲しいでしょ?
そのまま、ゆっくりと顔を近づけてくる。
やばい、キスされる!
ぎゅっと目をつむると、キスをされるのでもなく、なぜか鼻をつままれた。
「んぇ?」
パッと目を開けてアンパンマンを見つめていると、ニヤニヤしながら話しかけてきた。
その間も、鼻をつまんだまま放さない。
「なんで目つむったの?もしかして、キスされると思った?」
図星で一瞬ギクッとしたが、はい、そうです。と、言えるような内容でもない。
「んな訳ねぇよ!」
「じゃあ、なんで目つむったの?」
「それ、は....。」
なおも食い下がられて、返す言葉が見つからない。
どうすればいいんだ....!
「キスして欲しいなら言えばいいのに」
「は?」
なに言ってんだコイツ。んな事いつ俺様が言った?
戦いすぎて頭沸いてんじゃねぇの。
病院に行った方がいいんじゃないのか、こういうのは脳外科でいいのか、わかんねぇな。
とりあえず、病院に行くことを勧めよう。
「お前さ、病院にいっ!?」
いきなりキスをされて、口を塞がれた。
「キスしずらいから黙ってて」
息継ぎのために口を離したときにそう言ってまた口を塞いでくる。
お前が喋んのはありなのかよ!
「んっ....んぐっ、ん!ん!」
しばらくして、また息が苦しくなったからヤツの胸板を叩いてみるも、一向に離す気配がない。
むしろ、余計に激しくされた気がする。
「んあぁ....ふぅっ、ぁあ」
ただでさえ、前と違ってコイツの舌が口内を暴れ回ったり、舌を強く吸われていたのに、もっと激しくされたらたまったもんじゃない。
どんどん下腹部に熱が集まるのがわかる。
これ以上はマズイ。頭ではわかっていても、身体が全く動かない。
「んぁ....」
ようやく口が離れた時には、お互いの口を銀の糸が繋いでいても何も感じないくらいに頭にもやが掛かった状態になっていた。
そのせいで、
「僕の家に行こうか」
というコイツの誘いに、何の疑いもなく頷いてしまった。
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