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第8話
ベッドに腰掛けるよう促されそれに従うと、隣に睦月が座ってきた。
すごく近い。
煙草のにおいがはっきりと分かる。
「入れる方と、入れられる方、どっちが良い?」
「どっちでも…いい、です…」
「じゃあ、入れられる方しよっか。
俺にしかされることないだろうし」
「…はい」
「女の子抱く時も、俺のこと思い出してね」
「うん」
「ははっ、かわい」
男同士がどうやってセックスするのか、知識くらいはある。
排泄器を使う。
汚い。
恥ずかしい。
だけど、それを上回るなにかがある。
興味。
好奇心。
夏のせいだろうか。
猛暑日続きの毎日だから。
言い訳は、それで良い。
「睦月さ…っ」
ベッドに押し倒されるとその上に睦月が乗り上げた。
男が自分の植えに乗り上げることに恐怖はない。
迫力があるはずなのに、細い人だからそれが薄いのか。
そのままネクタイをほどかれ、次はワイシャツのボタンを外された。
肌に張り付く布が剥がされ、冷たくなってきた空気が身体を撫でる。
「高校生の身体って感じ。
若くて張りがあって、良いね」
睦月さんが、身体の真ん中をすーっと撫でた。
「ん…っ、」
ワイシャツがはだけると次はボトムス。
ベルトに触れられても抵抗もない。
なんでだろう。
見られて恥ずかしいとは思っているのに。
「もう勃ってる。
期待、してる?
パンツ越しでもおっきいの分かるよ」
さっき裸婦画をなぞった指が、同じように陰茎をなぞる。
あの指が自分に触れている。
それだけでガチガチに勃起した。
「すっごいね。
格好良いの出てきた」
指先でウエストゴムを下げられると、勃起したソレが頭を覗かせる。
しかも期待に先走りを滲ませて。
高校生らしい欲に忠実なソレ。
睦月はソレを格好良いと褒めてくれた。
「これ、今日は使わないよ」
「…いい」
「今が、最後のチャンス。
入れたい?
入れられたい?」
「睦月さんに、抱かれたい」
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