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第10話

睦月はベッド脇から避妊具を摘まみ上げた。 アダルト動画でしか見たことのないそれを1袋に破り、残りはベッドに散らばせる。 1人で生活していると隠す必要もないらしい。 授業で見たことしかなかったそれを眺めていると、睦月が話はじめた。 「本当は浣腸して腹の中のモノ出すんだけどね。 風呂もトイレも流石に母屋だけだし、万が一にでも佳苗さん達に会うのも嫌でしょ。 だから、コンドーム使おうね」 「ご、めんなさい」 「ん? なにが?」 「女みたいに、入れる穴がなくて…」 排泄器を使う、つまり汚物のことを考えなくてはいけなかった。 なのに、入れられたいと言ってしまった。 手間や汚れを気にしていなかった自分が恥ずかしい。 もし、自分の性別がもう一方であったら。 なにも気にせずセックスが出来たのに。 そう思わずにはいられない。 「あるよ。 ココ。 アナル」 「っ!!」 ヌルッと押し込めれた指に息を詰めた。 コンドームを纏った指がググッと奥を目指し押し入る。 はじめて感じる異物感。 しかも、他人の指だ。 さっき絵画をなった指をありありと想像してしまい、締め付ける。 あの節の目立つ白い指が自分の身体の1番汚いところに触れている。 汚している。 「ココ覚えると、死ぬほど気持ち良くなれるよ」 「睦月さんは、使ったこと、あるの…?」 「秘密。 その方が俺のこと考えてくれるでしょ」 そんな秘密がなくても、忘れない。 いや、忘れられない。 だって、俺のはじめてだ。 童貞より先にケツの処女を失うなんて、絶対に忘れられない。 それに… 「こんな格好良い子のはじめてもらえるなんて光栄だなぁ」 この逆上せた気持ちは……

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