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第11話

ローションの滑りを借りぬぐぬぐとアナルを弄られ身体の変なところに力が入ってしまう。 力を抜かないと、とは頭で思っても上手くいかない。 無意識に息を詰めてしまう。 こんなにも自身の身体をコントロール出来ないなんて思わなかった。 17年、この身体で生きてきて自分の思った通りに動かせると疑うことすらしなかったのに。 「…く、……ぅ、」 「気持ち悪い?」 「わっ、……な、い」 気持ち良いのか気持ち悪いのか、判断出来る余裕がない。 分かるのは圧迫感のみ。 変な声を出してしまわないように唇噛んで耐えることしか出来ない。 「…く、ぅ…っ、……は、」 指が抜かれると浅くだが息が出来るようになった。 一所懸命に酸素を吸い込む。 なんで指が抜かれたのかその理由より酸素を欲す。 そうして呼吸を整えていると、上に乗り上げる睦月の身体が動いた。 ベルトのバックルを外し、フロントボタンとチャック。 そして、下着ごとスラックスを押し下げた。 「久遠くん、しゃぶれる?」 目の前に差し出される陰茎。 白くてすらっとしていて、こっちも蛇みたいだ。 あ、と口の中を見せて意思表示。 小便を排泄する器官を口に入れるなんて、今朝は思わなかった。 車に揺られている時も。 説法の最中だって。 なのに、今、口に迎え入れる。 「ご…っ、ぇ…」 「ゆっくり。 焦んないで良いから。 無理なら俺の腹叩いて」 雄のにおいがする。 それと汗のにおい。 それに、味も。 全部が混ざり合って一瞬嘔吐いてしまう。 だけど、無理じゃない。 やめたくない。 「大丈夫? 大丈夫なら、もっと銜えて。 もっと大きく口開けて。 …そう。 上手だよ」 歯が当たらないように大きく口を開くと顳顬が疲れる。 けど、やわらかく敏感なソレ。 気を付けているつもりなのだが、大丈夫だろうか。 なにせ、はじめてのフェラチオだ。 伺うように睦月を見上げる。 その不安を払うように睦月の指が額を撫でた。 三日月を描く目。 その逆さまの口。 もっと、気持ち良くなって欲しい。 俺で感じて欲しい。 同性のモノに舌を這わせた。 ねっとりと絡ませると雄のにおいが鼻を抜ける。 青くさくて汗の味がして、苦くて、興奮する。 陰険ってこんな味なのか。 自分も持っているが、自身のモノは舐めることが出来ない。 中学生の時に好奇心でじぶんの吐き出した精液を舐めたことがあるが、とてもじゃない味だった。 それを今は自分からは強請るように舐めている。 自分が自慰の時に弄るトコロを舌で刺激し、睦月も快感を感じてもらえるようにしながら。 「ん、ソコ…良いよ」 ぢゅっと吸いつき鈴口を舐めた。 あわよくばイって欲しい。 なのに、額を押され、口の中から陰茎が出ていってしまった。 「もうおしまい。 イくなら、久遠くんのナカが良いから」

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