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第14話

「むつ、き…さんも、」 「良いの?」 「ほし…」 この身体で良いのならイって欲しい。 精液を吐き出して欲しい。 だって、これはセックスだ。 「分かった。 あげるね」 腰を掴み直され、奥を突かれる。 今程の動きとは異なり、自身がイく為の動きだ。 遠慮なく突いてくる。 イってくれるだろうか。 こんな身体で。 男の身体で。 だけど、そんなのは杞憂だと知る。 「は……、やば、」 睦月が気持ち良さそうに顔を歪めていた。 男くさい顔は上気していて、ちゃんと快感を感じていると知れる。 嬉しい。 嬉しい。 「久遠、くん…も、きもちい…?」 「はっ、…はいっ、」 「俺も、きもちい」 その言葉は嘘じゃない。 そう思える。 「……イかせて、ね」 「あっ、ぐ…っ、……う゛…」 「久遠くん、イく…。 イ…く……、」 声が掠れてすごく艶っぽい。 グッ、グッと、奥を押し込まれ、そして引き抜かれる。 抜かないで、と思う間もない。 コンドームを外し、数度扱けば腹に生暖かいものが降ってきた。 「ぅ゛……ん、」 自分の精液で汚れた腹に射精された。 溢れるこの気持ちはなんだ。 「……は、ぶっかけちゃった」 残滓までしっかり吐き出だされ、久遠はそれに手を伸ばし混ぜていく。 混ざり合う精液。 実を結ぶことすらなく死んでいくだけのそれ。 ただの好奇心だ。 意味なんてない。 だけど、それを見ているとなんとも言えない気持ちになった。 ゼリーみたいな精液は自分のだろう。 それは避けつつ、混ざり合ったそれを舐めた。 「まず…」 それを見詰める睦月はまた笑っている。 「久遠くん、どうだった?」 「すごかった…です」 はじめてのセックスは睦月とだ。 絶対に覆せない事実が出来た。 ミンミン、ジワジワ。 窓の外は蝉が五月蝿い。

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