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第6章(後編)
背中を支えられながら、起こしていた身体をゆっくりベッドに沈める。柔らかいベッドが優しく受け止めてくれる。
「どうしたらいい?」
「…まずは外から解して欲しい。ある程度やったから、大丈夫だと思うけど。これ使って。」
サイドチェストの引き出しを開けて、アナルセックス用のローションを取り出す。ここのホテルは備品の位置が使いやすい事でも有名だ。
「ん、分かった。触るよ。」
「うん。」
俺が腰の下にタオルを入れると、キュポっという音の後、ローションを纏ったヒロの指が俺の穴に触れる。ビクッと体が震えたが、ヒロの指は離れることは無い。くるくると円を描くように周りを解していく。俺も深呼吸を繰り返して力を抜いていく。
「柔らかくなってきた。」
「ん…そしたら、指入れてみて。」
「分かった。」
ヌルヌルした指が1本ゆっくりと入ってくる。それだけで興奮して、とろりと先走りが出たのが分かる。
「ハヤト。」
「んぁ、なに?」
「足痛く無いか?」
「ひゃうっ!」
俺が足を広げてヒロを跨いでいるので心配になったらしい。だけど、内ももを撫でられて、またしてもイキそうになった。
「だいじょうぶ。痛かったら言うって。」
「分かった。ごめん。」
差し込まれた指が出たり入ったりしながら、時々くるりと回転する。
「も、もう指増やしてっ。」
「分かった。」
一度引き抜かれた指が、今度は2本になって入ってくる。
「本当に入った。」
「ははっ。笑わせないで。」
「うん。」
「入り口と中と広げてって。」
イクのを耐えようとギュッと瞑っていた目を恐る恐る開けると、心配そうな顔のヒロと目が合う。
「良かった。大丈夫だよな?」
「うん。大丈夫。もう一本増やして。」
「うん。」
ずるりと引き抜かれ、それにさえ快感を覚えてしまう。段々と男に抱かれる感覚を思い出してくる。ご丁寧に一本抜く事に付け足されたローションはヒロの指から滴り落ちそうになっている。
「入れるよ。」
「うん。」
今度は3本入ってくる。だいぶ太くなってきた。入り口を解しているのか、指が開かれ、中を指が押してくる。
「あああああっ!!」
前立腺を押し込まれて、大きな声が出てしまう。中の指はキュッと閉じてピタッと動かなくなる。
「ど、どうした?大丈夫?指抜こうか?」
「はぁはぁ、んっ、大丈夫。いきなりだったからびっくりしただけ。」
「いきなり?」
「前立腺。聞いた事ある?」
「ああ、うん。」
そういうと中の指が動いて、中を擦り出す。前立腺に優しく触れられて、ピクっと指を締めてしまう。
「ここ?」
「ん、そこ。」
「そう。触らない方がいい?」
「大丈夫、気持ちいいから、触って。ちょっと押し込む感じ。」
「こう?」
「んんんっ!ぅん、そう。」
再び、ヒロの指が動き出す。前立腺を丁度いい強さで押され、解されていき、先走りがとろとろと出ていく。
「中も外も、ふわふわになってきた。」
「ぅん。もう入れていいよ。」
「分かった。」
ずるりと指が出ていく。仕上げとばかりに入り口を擦られて身体が揺れる。
「ゴム、付けれる?」
「うん。自信ないけど。」
「俺がやろうか?」
「うん。」
よろよろと身体を起こすと、剥き身になったコンドームを渡される。ヒロのチンコに触れるとバキバキに勃起していた。
「こんなに勃ってて痛くないの?」
「早く入れたい。」
「ふふっ。分かった。…いいよ。」
身体を後ろに倒すとヒロの手が腰を掴む。中に出し入れしていた指がシワシワになっていた。ローションを纏ったチンコが、穴に宛てがわられ、ゆっくりと中に入ってくる。その大きさに一瞬息が詰まって、意識して身体の力を抜く。
「ん。大丈夫か?」
「はぁはぁ、ん、だいじょうぶ。もっと奥まで来て。」
「キツイから、ゆっくりな。」
ゆっくり中が開かれていく。肛門も今までに無いくらい広がっていて、少し引き攣っている気がするが、大量のローションの力もあって痛くはない。
「ん。ヒロっ。」
「どうした?」
「すき、っあああああっ!!」
「っ!!」
間を繋ごうと思っただけなんだが、「好き」の言葉は破壊力が凄かった。ギュンっとまた大きくなったヒロのチンコが俺の前立腺を前触れなく押し込み、パンパンだった俺はその刺激でイってしまった。俺が白濁を吐くと同時に、ぎゅっとヒロを締め付けてしまい、ヒロもまた、中で達したようで、薄い膜越しに液体が出ているのが分かる。
「はぁはぁ、んっ、イったな。」
「はぁ、うん。…ごめん。」
ずるりとひと回り小さくなったチンコが体内から出ていく。身体を起こしてコンドームを外しているヒロは絵に描いたようにしょんぼりしていた。よろよろと身体を起こしてベッドヘッドに寄りかかる。
「…どこまで入ったの?」
感覚的にあの長いものが全部入っていたとは考えにくい。ヒロはおずおずとチンコの半分くらいの位置を指さす。
「こんくらい。」
「ふはっ、はははっ。まだ半分じゃん。」
「ハヤトが急に締め付けるから。」
「仕方ないだろ。初めてなんだし。上出来上出来。」
「三擦り半も行ってない。」
「俺は、気持ち良くなってくれて嬉しいよ。」
ヒロの頭を撫でる。と、ヒロの手も俺の頭の後ろに回る。
「ハヤト。俺も好きだよ。」
ヒロの告白に胸が熱くなる。ヒロが、世界で一番かっこいいヒロが俺に告白している。絶対に絶対に叶わないと思っていた片思いが実った瞬間だった。知らぬ間に涙がぽたぽたと落ちる。
「返事、遅くなってごめんな。」
「…ほんとだよ。」
「ハヤトには可愛い嫁さんもらって幸せな家庭作って欲しかったよ。」
「バカ。ヒロと離れて幸せなんて来ないよ。」
「そうか。」
引き寄せてギュッとしがみつくと、ヒロもギュッと抱き締め返してくれる。しばらくそうしていると、また抱いてもらいたくなる。両思いになったんだ。記念にもう一回くらい。
「…またデカくなってる。」
「ごめん。中、気持ちよかったから。」
「今度は最後まで入れてくれる?」
「ああ、ハヤトがいいなら。」
今度はヒロが自分でコンドームを付けて、その間に俺は自分の指でローションを押し込む。正直、もうベトベトで入れなくてもいいのでは?とも思ったのだが、ヒロがそれを許さなかった。さらにローションを纏ったヒロが、ゆっくりゆっくり入ってくる。俺も昔の感覚を思い出して来て、ゆっくりヒロを迎え入れる。ようやく奥まで入ったらしく、ヒロの下生えが俺に触れた。
「ヒロ、ちんこ大きいな。」
「そうなのか?」
意識して息を吐き出しているが、腹の中がパンパンで少し苦しい。
「身体でけぇからかな。」
「苦しくないか?」
「大丈夫。俺の中、全部ヒロって感じ。」
ビクッと中のチンコが跳ねる。
「ははっ、中で動いてる。はははっ!」
「笑うのやめろ。出そうになる。」
「はぁ、ん。分かった。ゆっくり動いて。」
「ん。」
ゆるゆると抜かれて、ゆっくり戻ってくる。前立腺に触れられて、でも押し込まれる訳でも無く、ゆったりと気持ちいいのが続いている。
「ヒロ。」
「ん?痛いか?」
「ううん。もっと激しくても大丈夫だよ。」
「…これ以上速いと出ちゃいそう。もっと繋がってたい。」
「…んっ、わかった。」
「泣くなって。…ハヤト、キスしていいか?」
「うんっ。」
そうして俺たちは、ゆるゆるとじんわりじっくり繋がっていた。
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