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第12話 春樹※
下野の家に泊まってる日に、夢精をしてしまった。他人の家で、夢精をするなんて信じられない。最悪だ。
しかも、直前まで夢を見ていた。その夢をはっきりと覚えている。
下野に抱きしめられて、何故か顔や唇にキスをされていた。下野の逞しい肉体を見せられ、肌と肌を合わせて抱き合っていた。下野は春樹の唇から首や胸、腰にキスをしていき、腰と腰を強く絡め合っていた…ところで夢精をしたらしい。
やってしまった!と思い、目が覚めた。
なんて夢を見ているんだ!下野がやたらと抱きしめて寝るからなのかとは言えず、ひとり落ち込んでいたが、夢精をしたことがバレてしまう。
が…何故…こうなっているんだろう。
「春ちゃん…オナニーしてる?」
「な、なんだよ!そんなこと聞いて…するに決まってるだろ!ああ…ダメっ…」
下野にペニスを触られている。触られてるどころか、上下に擦られてる。さっき夢精したばかりなのに、下野の手で擦られて、また射精しそうになっている。
「えっ!あるの?オナニーしたことあるの?」
二人分のペニスを下野の大きな手で包み、まとめて擦ると、グジュグジュと音がしていて恥ずかしい。さっき、男の友達同士ではこんなことをすると下野は言っていたが、本当だろうか。
下野の吐息が耳元で聞こえる。電話でも聞いたことがない声だ。
今、どんな風にしているのだろうか。下野の顔を見てみたい。そう考えるとペニスが硬くなりすぐに射精しそうになった。
下野も射精しそうだとわかる。下から上にかけて腰を大きく、強く押し付けられた。夢に見た通りになっている。
下野のペニスは大きくて太い。その大きなペニスが硬くなり、ゴリゴリと押し付けられるから、春樹は射精しそうになる。下野に腰を抑えられ、二人は隙間がないくらい密着している。
扱いている手が速くなった。力強く擦り上げる下野を感じてしまう。射精感が強まり、春樹は下野をギュッと抱きしめた。
「や、や、や、ダメっ…」
「春ちゃん、出していいよ?俺も出すから…」
ビシャッと大量に精子がかかったのがわかる。下野は体格がいいから精子の量も多いみたいだ。
だけど、その下野の射精に刺激され、春樹も続けて出してしまった。自分の精子はピュッとくらいしか出なかったけど、驚くほど気持ちが良かった。ひとりでするより、何倍も気持ちがいい。ものすごく。
「うわぁぁぁ…気持ちいい…」
思わず春樹は心の声を出てしまった。
「春ちゃん?気持ちよかった?」
「えっ。あ、うん…」
恥ずかしげもなく、気持ちいいと素直に口に出してしまった。
「俺も!すっげぇ気持ちよかったよ」
下野にぎゅっと抱きしめられる。二人で全力疾走して完走したような気がしたから、春樹からもぎゅっと下野を抱きしめた。
抱きしめた下野は、一瞬ビクッとしていたが、ホッとしたようにその後は力が抜けていた。
二人で交互に風呂に入り、遅い朝食となった。春樹は疑問に思っていることがたくさんある。ひとつずつ下野に聞いている。
「寛人?あのさ…さっきのアレ…本当に男友達の間でやることなのか?」
「へっ?あれ?」と、下野は変な声を出していた。やっぱり変だよなと春樹は下野に聞いていた。
「うーん…本当らしいよ?俺はやったことなかったけど、ノリでやる奴らもいるのは本当。だからおかしいことではない」
「本当かっ!お前はやったことないんだな?寛人でも知らないことあるのか!そこは、俺と同じってことだな?」
下野もやったことがないと聞くと、春樹は嬉しかった。何となく対等になれた気がしたからだ。
「何だよ、春ちゃん。嬉しいのか?」
「嬉しい!寛人も知らなかったんだろ?イーブンだ。じゃあ経験できてよかったな」
あはははと、下野が急に大きな声で笑いだしている。何がおかしいっていうんだ。
「イーブンって、マジかよ…春ちゃんは面白いよな。経験出来てよかったけど、他の人とはやるなよ?約束な。それから、夢精の方だけど…」
「む、む、夢精のことは言うなっ!」
「大切なことだよ、春ちゃん。最近、忙しかったから溜まってたんだろ?」
「む、うっ…う…ん。俺はあまり自分でもやらないから…それに、ど、ど、童貞だし…笑うなよっ」
「笑わないよ。童貞なんてどうでもいいことだから。だけどな、あまり溜まってるのはよくない。だからこれからは、さっきみたいに俺と一緒にやろう。気持ちよかったろ?俺と一緒に出してれば、溜まらないから夢精もしなくなるだろう」
「寛人もその方がいいのか?そうか…お前は忙しいもんな。うん!そうしよう、俺が手伝わないといけなかったな」
「あはははは、春ちゃん最高!手伝ってくれるのか…そうだな、二人でやることだもんな。これからそうしような。じゃあ、マシュマロのトースト食べる?作ろっか?」
何となく丸め込まれた感じもするが、下野と一緒だと全く嫌な感じはしない。
それに…あの夢も影響している。
何故、下野にキスをされて抱きしめられている夢を見るのだろうか。
夢の中で下野に唇にキスをされたのは、気持ちがよかった。そんなこと下野には言えないけど。
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