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第13話 下野※
金曜日から日曜日にかけて、春樹は毎週泊まりに来るようになった。泊まりに来るというより、泊まりに来させている。そうなるように下野が仕向けていた。
そして、金曜日から日曜日は何度も二人でペニスを合わせ、オナニーをし射精している。春樹の夢精対策とはいえ、思春期がぶり返したようだ。
続けて2回することもある。
春樹の体力的にどうかと心配したが、案外タフなようで、何度オナニーをしても疲れていないようだった。
二人で擦り合わす体勢も変わってきた。最初は横向きに寝ていて、二人分のペニスを掴み扱いていたが、今では春樹の上に下野が覆いかぶさったり、下野と春樹が向かい合って座り、腰を押し付けペニスを擦り合わせていた。
射精した後は、お互いの身体を抱きしめ合ったりしているので、何となく、擬似セックスのようになっているなぁと下野は思っていたが、春樹は童貞なので、その辺はわからないらしい。
週末はそうやって二人で一緒にオナニーをしている。下野の手により扱かれている。
しかし、この前は春樹がやってみたいと言い出した。好奇心だろう。
「寛人のは大きいよな、俺のとは違う。ちょっとムカつく…」
「体格が違うからしょうがねぇだろ」
「じゃあ、今日は俺がやってみる。お前はジッとしてろ」
「いっ…!春ちゃん?」
下野に向かい合って座っている春樹はそう言い、二人分のペニスを握ってきた。
春樹の手は下野より小さい。春樹の手だからか、他人の手だからかわからないけど、春樹に触られて下野のペニスはグンと大きく育ってしまった。
「…大きくて掴めない」
「春ちゃん…それじゃイケないよ。焦らされてるみたいで、」
ゆっくりと両手で下から上へ、上から下へと撫でられている。これではくすぐったくて、イクことが出来なそうである。
しかし辿々しい手つきの春樹に興奮してしまうのは、春樹のオナニーはこんな感じなのかと考えてしまったからだ。
下野のペニスは、いつもより反り返りカリも大きく張り硬くなっていた。
焦ったい思いをした下野は、春樹の手の上に自分の手を被せ、春樹の手ごとペニスを扱き上げた。もう片方の手は春樹の腰を引き寄せ、二人の腰が隙間なくピッタリと合わさるようにしている。
興奮が止まらない。
春樹の手を上から握り、ペニスを扱くようにすると、春樹の手の中で射精したいと、下野は強く思うようになった。下から突き上げるように腰も動いてしまう。
「や、や、や、…」
「いいよ…春ちゃん…イッていいから」
いつもよりいやらしい行為に春樹も興奮したようで、その時はすぐに射精していた。
下野も長く耐えられず、下から上に腰を大きく動かし、大量の精子を出し続けていた。
それ以来、平日の夜ひとりでその行為を思い出し、下野は毎日オナニーをしている。
あの時の春樹を思い出してしまう。
短パンから出ているスラっと細い春樹の足。首から喉にかけて赤みを帯びた肌の色。何とも言えず気持ちよさそうだけど、目をギュッと瞑ってる春樹の顔。それに、下野を抱きしめている腕。
イキそうになると春樹はギュッと下野を抱き寄せる。それを感じてまた下野は興奮してしまう。
平日の夜は、ひとりでそれらを思い出している。
今日は洗濯した春樹のグレーの短パンを見たら思い出してしまった。
春樹は、グレーの短パンの前を濡らし夢精をしていた。それがきっかけで、二人でペニスを合わせあった。
洗濯したてのグレーの短パンを前に、下野はペニスを扱く手が止まらない。
下野は春樹の短パンにペニスをグリグリと押し付けた。自分の先走りで濡れていく短パンを見ても興奮してしまう。春樹にしている行為とダブらせて、また思い出しまうからだ。
それに、ここに春樹が射精していたかと思うと、何度射精しても、すぐにまた勃起してしまうほど興奮してしまう。
自分にはそんな趣味はないはず。なかったはず。なのに今は違う。
男の短パンを前にペニスを硬くさせ、何度も扱いて精子をぶっかけているなんて、変態的行為だとわかっている。
「…っ、くっ…やべ…」
ベッドの上に置いた春樹のグレーの短パンに上から覆いかぶさり、最後は腰を振って短パンにペニスをなすりつけ、下野は射精していた。射精は長く続く。何度も春樹の短パンに腰を押し付け精子を出し続けた。
「…あー、マジでやべぇ」
どうしてしまったんだと、自分の行為についていけない。
最近、女がいないからなのだろうか。
欲求不満なのだろうか。
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