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lovey dovey 第6話 春樹※
日中は美桜と一緒に、子供達と遊んでいた。なので今日は、いつもの会社勤務より疲れていたのかもしれない。
美桜たちと別れてから、下野のマンションに戻る前、自分のマンションに置いてある物を取りに帰った。
その時、ひんやりとした自分の部屋が何となく寂しく感じ、下野を想い恋しくなってしまった。だから、魔が刺したというかなんていうか…ひとりでオナニーをしてしまったんだ。寂しくて、恋しくて。
立て続けに二回した後、疲れていたのもあり、そのまま寝落ちしてしまった。後ろの孔にディルドを入れたまま、寝落ちするなんて今世紀最大の大失態である。
しかもその姿を下野に見られてしまった。まさか下野が一日早く出張から帰宅するとは思わなかったんだから、仕方がない。
スヤスヤと寝ていたところ、好きな男に心配そうな顔をして起こされた。
まぁ、心配しただろう。連絡は取れず、それにディルドをぶっ刺して寝ているんだもんな。もう開き直るしかないと、春樹は思っていた。
「春ちゃん、歩ける?じゃあ行こうか。何か持っていく物ある?俺が持つよ?」
下野は春樹に何度も連絡をしたようだが、そんなこと知らずに春樹は寝ていたため、返事が出来ていなかった。心配した下野は春樹を探し回り、自宅で寝ているところを発見した時は本当にホッとしたという。
連絡が取れなかったこと、それとディルドというおもちゃで遊んでいたことが下野は面白くないようで『お仕置き』という名のセックスを何度もされた。だけど、お仕置きとは言うものの、下野のセックスは優しく、気持ちが良かった。
「持っていくものは…ある…本当は驚かそうと思ったんだけど」
春樹はそう言い『餃子の元』と『餃子のタレ』をキッチンから取り出し、下野のマンションに持って帰る準備をした。
「餃子?作るの?」
「うん、これはうちの新しい商品なんだ。寛人が餃子好きだって蓉から聞いたから…作ろうかなって。本当はお前が明日帰ってくる予定だったろ?だから、作って待ってようかと思ったんだよ」
カッコ悪い。サプライズで餃子を作っておこうとしたのに、自分でバラしてしまった。春樹が口を尖らせてそう言うと「春ちゃん!」と言って下野は抱きしめてくる。嬉しそうな顔をしやがって…
二人で着替えて下野のマンションに帰った。帰ってすぐ、一緒にシャワーを浴び、熱いシャワーで身体を洗いスッキリさせる。下野のマンションのバスルームは広く大きい。二人で入ってもまだまだ広いと、感じるほどだ。
「春ちゃん、何か食べる?餃子は明日にするだろ?そっかぁ〜春ちゃんが餃子作ってくれるのかぁ〜。マジで楽しみだな。くぅ〜サプライズなんて聞くと嬉しくてたまんないよ。あっ!明日は、餃子作るところから写真撮ろうかなぁ、いや、動画だな」
冷蔵庫を開けてビールを取り出しながら、ウキウキとほぼ独り言をいっている下野の言葉で思い出したことがある。
写真を撮る?動画?そうだ…SNSだ。
「寛人?ちょっといいか?」
腰に手を当てて、春樹は下野を呼んだ。
聞かなくてならない。春樹には聞かされていないことがある。
「どうした?春ちゃん!愛してるぞ!」
ご機嫌な下野はビールを飲み干して、ウキウキとしながら両手を広げ春樹を抱きしめ、そのまま抱き上げた。
「下ろせ!下ろせ!」と抗議しても、聞き耳持たずに、抱き上げられたまま、ベッドルームまで運ばれてしまった。
ドサっとベッドに下ろされて「どうしたの?」と笑顔で聞かれた。
春樹はちょっとムッとしてしまう。
だってそうだろ?さっきは春樹に対して『お仕置き』だと言い、セックスをしながら、恥ずかしいことを何度も繰り返し言わされた。ディルドを使い何回やったとか、気持ちよかった?とか…いやらしいことを色々と聞き、答えるまで許してくれなかった。思い出すと恥ずかしくてたまらない。
それに、もう無理だと言っても、大丈夫だと言い優しく何度もキスをされ、セックスを立て続けにされた。
大丈夫かどうかは俺が決めることなのにっ!と春樹は思い出してまたムッとし始める。それに…あのディルドはもう使うなとか言うしっ…個人の勝手だろ!と思う。
「あのなっ!寛人!」
「ん?お腹空いたか?」
「ち、違う!」
ベッドの上で身体がしなるほど下野に抱きしめられる。耳元にはキスする音が聞こえている。このままでは、また下野のペースに巻き込まれてしまう。
もう…『お仕置き』だな。
春樹はそう決めた。
ベッドルーム奥にウォーキングクローゼットがある。そこに春樹のスーツやシャツ、ネクタイが下がっている。
春樹は下野を突き飛ばし、クローゼットの中から一本ネクタイを引っ張り出し、ベッドルームに戻った。
「両手を出せ!前に出すんだ」
「えっ?こう?何すんだ?」
素直に両手を春樹に向けて下野は出している。「はーいっ!」といい返事もしているが、ニヤニヤともしている。
「お前の手がやたら動くから…話をする間、ちょっと固定させてもらう」
春樹のネクタイを下野の両手にグルグルと巻き、下野から自由を奪ってやった。
隙があればすぐに春樹を抱きしめたり、抱き上げたりする下野の両手の自由を奪えば、少しは落ち着いて話が出来るだろうと、春樹は考えたからだ。
両手をグルグルに巻かれても、下野はニヤニヤと笑っている。驚いたり、狼狽えることなく、余裕があって憎たらしい。
両手をネクタイで縛られて、ベッドの背もたれに身体を預けている下野の上に春樹は座り込み、話し始めた。対面に座ったが、それでもやっぱり下野の目線は少し上である。
シャワーを浴びたばかりなので、下野はボクサーパンツ姿で上半身は裸だ。春樹はいつものTシャツと短パン姿である。二人の体格差は大いにあるなと、改めて下野の上に座ると感じてしまう。
「寛人、お前SNSやってるだろ」
そうだった。本題はSNSの話である。下野の逞しい肉体に見惚れてる場合ではなかった。単刀直入に強めの口調で問い詰める。
「いっ!SNS…」
春樹の口からSNSと出た後、下野はバツの悪そうな顔をしている。やっぱり美桜が教えてくれたアカウントは下野のようだ。
「やっぱり…だと思った。俺は知ってるんだからなっ!」
「そっかぁ、春ちゃん見てくれた?関西の支店でも社員に言われたよ!美味しそうなもの投稿してますねぇ〜ってさ」
「いーや、誤魔化すな。隠し事はしないんじゃないのかっ!二人のルールだろ?それに、変な写真の撮り方してないか?」
わかっている。表向きは食事やデリカテッセンの惣菜などを投稿しているSNSだが、本当のところは『匂わせ写真』を投稿していると美桜は言っていた。春樹もそれは確認済である。
「隠してるわけじゃねぇよ?」と下野は言うが、顔は背けている。バツが悪いんだ。
「寛人!嘘はつかないんだろ?」
「嘘もついてない。SNSをやってるのだって隠してないぜ?春ちゃんに伝えるつもりだったし。それにこれは伊澤の計画で始めたもんだからさ、伊澤に教えてもらって、毎日春ちゃんと食事をしている写真を載せてるんだ。評判いいんだよ?」
両手を縛られても余裕で下野は答えている。ニコニコと笑いながら春樹を見つめてくるから、春樹も強く言えなくなるが、もう一度心を鬼にして問い詰めようとする。
「評判いいのは…何となくわかってるぞ、
写真を見ると美味しそうだなって思うし。それに家の中とか顔とかは写してないからいいけど…だけど、二人の生活が伝わるような写真じゃないか!あっ!そうだほら!ホットケーキの写真はなんだっ!あんな不恰好なの投稿しなくったっていいだろ」
春樹の作ったホットケーキも投稿されていたのを思い出す。デリカテッセンの惣菜であればオシャレでいい。自社のPRにもなるし、社長として恥ずかしくはない。
だけど、春樹が作ったホットケーキは、不恰好でオシャレではないから恥ずかしい。でもまぁ、それを見てケラケラと笑えたし、ちょっと嬉しかったけど、と春樹は思っていた。
「何を言っている。厳選した6枚である」
「はぁ?」
「厳選に厳選を重ねて選んだ6枚のホットケーキの写真だろ?春ちゃんが初めて作ってくれたんだ。しかも俺にっ!俺に作ってくれたんだ。そりゃ投稿するだろ?投稿するために選ぶのは大変だったんだ。本当は写真全部を投稿したいのにさ。あ〜思い出すと、嬉しさが込み上げてくるぅ〜」
いかに自分が嬉しかったか、甘い物は得意ではないがアレだったらいくらでも食べれる、俺のためだけに作ってくれた!感動!など、両手を縛られても余裕でペラペラと熱弁している下野の話をまともに聞いてしまった。
呆気に取られて何も言い返せなくなる。下野は別の次元にいるような気がした。
相変わらず懐も気持ちも、何もかも大きな男なのか。些細なことなんて笑って吹き飛ばしてくれる、そんな大きな男なんだと感じた。いや…絆されたのかもしれないが。
「もう…寛人はズルい。なんか…もう、どうでもよくなっちゃう」
そう言い、春樹は下野にチュッとキスをした。両手を縛られたままだから下野から抱きしめられないけど、それでも春樹からギュッと下野を抱きしめキスをした。
「春ちゃん?もうこれ解いてくれる?春ちゃんのこと抱きしめられないよ。それにさ、ちょっと…そこに座ってモゾモゾ動かされるとさ…また俺のがデカくなってきちゃうからさ、」
確かに春樹は下野の上に座っている。腰と腰が合わさるような格好であるから、下半身がグリグリと合わさる感じもする。
それに下野は縛られている両手を解放しろという。ボクサーパンツ姿でもカッコいい下野にそう言われ『うん』と頷きそうになってしまう。
いかん!いかん!なんでもすぐに絆されてしまう自分は意志の弱い人間だと、春樹は考えを戻そうとした時、下野の下半身が視線に入りギョッと驚いた。
パンツからペニスの形がくっきりとしている。下野は、元々大きなペニスを持つが勃起してくるとパンツからはみ出るほどになる。何となく、そんな兆しが見られた。
「…そうか。寛人、ちょっとお仕置きな」
「はあ?」
春樹は座り位置をずらし、下野の股間に顔を埋めた。ボクサーパンツ越しに下野の熱が感じられる。両手でサワサワとそこを触るとビクッとペニスが動き、更に大きくなったような気がした。
「は、春ちゃん?な、なに?」
「なにって、お仕置きだってば。俺は、さっきいーっぱいお仕置きされたから、お前にもお仕置きしてやる!」
そう簡単に許してはいけない。さっきあんなにお仕置きをされたんだろと、春樹は自分に言い聞かす。
ボクサーパンツの上から下野のペニスにチュッとキスをする。何度も繰り返し、チュッチュッとキスをし、大きく口を開けてハムっと下野のペニスをパンツごと咥えると、ジワっと先走りでパンツが湿ってきた。
「…春ちゃん?手を解いてくれないの?」
「絶対、解かない」
両手を縛られている下野を、ペニス越しに見上げて答えてやった。
ボクサーパンツを引き下げると、ぶるんとペニスが出てきた。既にテカテカと濡れているのは、先走りによるものだとわかる。
血管が浮き出ている。ビキビキと音が聞こえそうなほど、勃起している下野のペニスを両手で掴み、亀頭の先端から根元の下までチロチロと春樹は舐めていった。
キスをしたり、舌で舐め回りしたすると下野は「…ああ、」と声を漏らしている。気持ちよさそうな声に春樹は嬉しくなる。
フェラチオというものを初めてする。ディルドを購入した時からたまにしていることである。いつか下野のペニスを咥えてみたいと思っていた。
先端から竿と裏筋に舌を這わせる。睾丸にもキスをして、付け根を強弱をつけて舐め回した。
「寛人?これ好き?」
「…ヤバいって」
「ちゃんと答えないとまたするよ?お仕置きだから」
「…え、お仕置き?これが?」
「そう」
ビクンビクンと動くペニス全体を舌で刺激した後、大きく口を開き、根元まで一気にくわえ込んだ。更に硬くなり、大きくなった下野のペニスがいやらしい。
ああ…という、下野の気持ちよさそうな声を聞くと、春樹も興奮してくる。
広いベッドルームの中で、ぐっちょぐっちょとペニスをしゃぶる音が聞こえる。下野は先走りが多いから、春樹の小さな口からダラダラと汁が溢れていく。だから、溢さないようにと春樹はじゅるじゅると舐めていった。
「出張中、寛人はひとりでしなかった?」
「えっ…俺?あぁ、したよ?してた」
「じゃあ、お互いさまじゃないか!なのに何でさっき怒ったんだよ」
竿にキスをしながら抗議をした。ねっとりと時間をかけて丁寧に舐めていく。カリに沿って横に舐めていくと、ドクンドクンと下野のペニスは波を打っていた。
「いや…バイブにヤキモチ?つうか…はぁ…こんなこといつ覚えた?春ちゃん?」
後から後から先走りが溢れている。下野を見ると気持ちよさそうな表情を浮かべている。いやらしい顔から目を背けられない。
「あれはバイブじゃなくて、ディルドっていうやつ。俺はあれを使っていつもこうやって練習してたんだ。いつか寛人のを咥えたいって思って…だけどお前は俺のことをいつまでもピュアに扱うから…」
「ヤバっ…そんなこと言われると…春ちゃん、俺ヤバそう」
はぁ…とため息をつく下野がいやらしく、春樹も更に興奮してくる。
「寛人、出る時はでちゃうって言うんだろ?ちゃんと言わないとお仕置き続くよ?それと、春って呼べ」
セックス中は、春ちゃんと呼ばれるより、春と少し高圧的に呼ばれたい。
亀頭からカリまでを口に含む。カリのくぼみに舌を当てて大きく回しながら刺激すると下野は気持ちよさそうに呻いていた。
「春…くっ、はぁ…出していい?」
ペニスが一段と硬くなり下野が射精しそうだとわかる。ペニスを咥えながら見上げると、雄の顔をして春樹を見つめている下野がいた。その顔を見るとズクンと春樹の下半身が疼いてしまった。
出していいかと聞かれ、コクコクと頷き、口で咥えたペニスを徐々に頭を上下するスピードを早めた。少しずつ動きを速くして、口の中で出してもらいたい。下野の腰も動き出している。春樹に合わせて下から突き上げられている。
「ああ…春、出る…うっ、」
びゅびゅっと口の中に勢いよく精子が飛び散った。亀頭がドクドク波打つのがわかる。ペニスを両手で固定し、春樹は口の動きを止めて大量の精子を受け止めようとするも、多過ぎて口から溢れてしまう。
ぶるんとペニスを口から離した後でも、まだ下野は射精は続いていたようで、春樹の頬にビシャっと残りがかかってしまった。
「ご、ごめん!大丈夫?春ちゃん」
それを見て下野が焦った声を上げていた。
確かに下野はいつも量が多いとは感じていたが、こんなに多いとはと驚く。この量がいつも自分の中に放たれてると思うと、ズクンとまた下半身が熱くなる。
びっくりしたままベッドの上で立膝をつき、ティッシュで口を拭っていると、春樹の身体がふわっと浮いた。
「えっ?」と後ろを振り向くと下野が笑いながら春樹を抱きしめてくる。
「寛人?あれ…?ネクタイは?」
さっきまで縛っていたネクタイが見当たらない。下野の両手は解放され自由になり、春樹を抱きしめている。
「うーん、解けちゃったみたいだな。さぁ!春ちゃん、また聞くことあるみたいだ。隠し事はしないんだろ?今日はゆっくりと色々教えてもらおうか。ん?」
ニコニコと下野は笑いながら、ベッドの横に置いてある水を春樹に手渡しした。
あれ……?
お仕置きは失敗だったのだろうか。
春樹は下野にコロンとベッドに横にされた。さっきまで下野のペニスを咥えながら上目遣いで下野を見て優越感があったのに、今は上から射抜くように下野に見られている。
明日、餃子は無事に作れるのだろうか。
ゆっくりと下野に抱き寄せられ、キスを何度もされたから、餃子のことは一度忘れるしかないかなと思う。
これって…
丸め込まれたというのかもしれない。
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