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第5話

 リョウタさんがあまりにもエロいから。  リョウタさんがあまりにも喘ぐから。  リョウタさんが、あまりにも可愛いから。  気が付けば、リョウタさんを泣かすほどにイカせてしまっていて。   「あ…奥ゥ。気持ち、いぃ…」  俺の指はリョウタさんの肛門に納められていて。  確か前立腺……だっけ?  ソコを擦ってあげると。 「あっ!まだイッてるからぁ…ッ!も、弄んないでぇ……ッ!アッん、あぅ、アンン!」  ご覧の通り、面白いぐらいに跳ねて喘ぐ。  それが俺の加虐心を増幅させるのには充分すぎて。 「リョウタさん。可愛い」 「やぁ……ッ」  両手で顔を覆うリョウタさんは死ぬほど可愛い。  俺と仕事としてセックスしてる筈なのに、きっともうそんな事忘れちゃってるくらい感じてくれてるリョウタさんが愛しくて。  つい舌舐めずりしちゃってた俺の顔に見惚れて、瞳をウルウルさせてるのも可愛くて。  それに呼応するように俺自身も破裂しそうなくらい反応してて。  ──ブチ込みてぇ……。  でも、挿れていいのかが分からないから、とりあえず指を出し入れさせてリョウタさんを跳ねさせる。  確か、普通のデリヘルって本番NGだよな?  男版はどうなんだろ?って思って。  でもヤッてる最中に聞くのもなぁ…って。  とりあえず、指増やしとこ。   「ぁあン、ゆび、増えちゃ、らめぇ、も、らめぇぇ、あぁぁ」  リョウタさんの口からダラダラとヨダレが垂れている。感じすぎてて目が虚ろになってる。  可愛い。  愛しい。  なんでこの人、こんなに可愛いんだろ。  ひとつひとつの仕草が絶妙にエロくて。  あ、また出さずにイッてる。  イッてる時の跳ね具合がまたエロいんだよな。  それに。  すごく、綺麗だなって思う。 「ふ、やぁ…、ふーやぁ…、ふ、ぅぁ…んッ」  俺の名前。 「なに?リョウタさん」 「お願い、奥、突いてぇ…っ」  ……。 「──ココ?」 「アッ、あぅ!ちが…ッ、もっと、奥ゥ…」 「……指じゃ。ここまでが限界だよ?」  あ。顔真っ赤。  ホントはこんな事言わせたくないんだけどね。  本番OKなのか確認したいからさ。   「──ふーやの、おっきいので…奥。……突いて欲しいの…ッ」  ブワッてきた。  理性が飛ぶってこういう事なのか。  でも……。  コンドームが見当たらない。さっきまであった気がしたんだけど。 「ふーやぁ…」 「ん、なに?」 「そのままで……いい、から…さ…。その…、奥まで、突いてくれる?」  眼を泳がせて、しどろもどろに話すリョウタさんを見て、なんとなく察する。  どうやら俺は。リョウタさんにハメられてるらしい。  その好意は嬉しいけどね。  多分店的には、御法度の行為のはずだ。  ──だから……。  俺はリョウタさんのおでこに優しくキスをして、穏やかに微笑んで。 「リョウタさん。コンドーム、どこ?」  優しく、促す。 「えっ…」 「さっきまであったの知ってるよ。リョウタさん……隠したでしょ?」  クリッとした黒目が大きく見開かれる。図星だったようだ。 「だって……俺。ふーやにもう逢えないと思ったから…ッ…ふーやを感じたくて…、それに、俺のこと忘れてほしくなかったから、俺のナカを生で感じて欲しかったから……ッ」  かわいい。 「俺のこと、覚えててほしくて……!」  か・わ・い・い! 「リョウタさん……」  あ〜〜もう! 「ふーや…あんッ、あっ、指ぃ…ァア、あぅん!」  俺は、とにかく我武者羅にリョウタさんのナカにいる指たちを動かしまくった。 「アァ、ぁ、ぁあぅ、あぁ、んふ、あぁんあぅああ!!」  三本の指たちが淫らな水音を立てて、リョウタさんを追い込んでいく。 「ァァあぁあらめえぇイッちゃ、イッちゃうぅイッく、イクうぅ〜…うぅんんッッ!!」  精液が弧を描き、リョウタさんの身体が、ビクビクンと綺麗に跳ね上がる。  美しいリョウタさんを見届けたのちに、軽くキスをしてあげる。   「ん…ッ」 「ね、リョウタさん…」 「やぁ…っ」 「コンドーム、どこ?」 「──んやぁ…ッ!やだぁ……!!」  ……しょうがないなぁ、もう。  そんな気はしてたけどね。  グチュ、グチャという卑猥な音と。 「あんン!やぁ、も、やっだぁ、またクるからぁあぁん!!」  リョウタさんの懇願にも近い喘ぎ声。 「ふぅやぁ…も、やめてぇ…っ」 「コンドーム出してくれたら、やめたげる」  リョウタさんの根性もすごいけど。  俺も意地汚ぇな、とは思う。 「ふーやは……俺のこと…、嫌いになったの?」  そんな訳あるか。 「違うよ」  むしろその逆だ。  ……──ん?  ぁ、そっか。  俺、リョウタさんのこと、好きなんだ。  ……好きになってたんだ。  好きだから、無茶をして欲しくなくて。 「俺、リョウタさんのこと。——好きだよ」 「えっ……、うそ、うそだ…ッ」 「嘘じゃないよ」  口付けをする。 「んぅ…、ん、ンッんぁぅ…んっンッ…」  リョウタさんの口内がとても熱い。 「んぁ…っ…、ふ…っやぁ…んッ」 「好きだからこそ、負担かけたくないのっ!」  不安気な顔で見つめられる。 「ほんと……に?」  あ、泣きそうになってる。うるうるな瞳。 「うん。俺リョウタさんに危険な事させたくないからさ。ほら、こういうのって病気とか怖いんでしょ?だから。──隠したもの、出してほしいな」  おでこにキスをする。  目が合う。  そのままキスをする。  キス。  …キス。  ──キス。  キスしたまんま、指を再起動させる。 「ふぁ…っ、あっ、や、あんぅ、んむ…ぅン!ん!ぅ、っやぁ…やらあぁァ、ア…ッ!」 「コンドーム、どこ?リョウタさん」 「あっアッ、アッん!あぅ、や、ぁ…んっ!ふっ、ぅやとぉ、ナマで、したいぃいぃ…ッ」  そりゃ俺もしたいけどさ。 「それは次に会った時にさ、……しよ?」 「…っんとぉ?……ほん、とに?…あっん」 「うん、ホントに」 「また逢って、くれ、るの?」 「うん。俺の方こそ、逢ってくれる?」 「うん!ぅん!…逢いたい…!俺、ふーやとまた、逢いたい……ッ!から……」  白い肌に伝う涙が美しくて。 「リョウタさん……」 「——枕の、下……ぁッ」  リョウタさんの云う通りに枕の下を探ると、三つ連なったコンドームが見つかった。 「うん、よくできました」  ごほうびのキス。  指をゆっくり引き抜くと、散々弄くった穴はポッカリと空洞になっていて。  なにこれエッロ……。   空洞なのに、すっげえヒクついてる。 「ふぅやぁ…、早く来てぇ…?」  鼻にかける誘い台詞に、心が鷲掴みにされた気がした。  やべえ、ゾクゾクする。  手に入れたゴムを装着して。  ぽっかりと空いた空洞に。  ズプ、と侵入する。 「ぁはあぁ…ッッ!」  吸い付きやっば。うねりがスゲエ。 「あっ、アッ、あぅ、奥、来てるよおぉ…!」  トン、と先端がぶつかる。 「ふーやの、俺のナカにいるんだね…、嬉し」  あ〜〜。  もう、そういうこと言うんだから。  ……俺の、元気になっちゃうじゃん。 「あっ、ウソ、ふーやのまだおっきく…なってる…?す、ごぉ…、あっ、ァアん!」  我慢出来なくて、つい。  ガン掘りしてしまう。 「あぅ、あん!あっアッ、ふ、や、ぁん、ッぁ!やっだァ、ァ、あんっ、あんっ、あぅ、あはぁ!」  強すぎる快楽を逃がそうと、リョウタさんの両手が宙を舞う。  枕にしがみついたり。  シーツを掴んだり。  顔を覆ったり。  その仕草がまた愛らしくて。 「リョウタ、さ…!」 「ふ、ぅやぁ…、ふーやぁ…ッ!」  キス。  俺のものだと言わんばかりに口内を蹂躙する。  厚い唇から糸が滴る。  とろっとろのウルウルした瞳。  蒸気した頬。  乱れた金髪。  すべてが愛おしくて。  その想いごと、打ちつける。 「あぅ、あん、あ、ぁ、い、イィ、気持ちぃ、気持ちいの、ふぅ、やあッん!あぁァ、ア、すご、いの、キちゃぅ、イッちゃ、イク、イくからぁ、あ、あぁぅあぅ、も、ダメぇえ、ひぅう!」 「イクの?イッちゃうの?」 「ぅんッ!イク、イクの、イク…からぁ!」 「俺も、イキそ……」 「あっ!キて、一緒に、キてぇぇ!」 「リョ、ウタさん……!!」 「アァあはぁあぁイクイク、イッ〜〜……ッッ!!」  俺とリョウタさんは、ほぼ同時に果てた。  余韻の残る身体はずっとビクついていて。  だらしなく大股を広げたまま、リョウタさんは息を整えていた。目はまだ虚ろのままだ。  なんだかんだで無茶させちゃったからなぁ……。  己の精液の籠ったコンドームを自身から外し、こぼれないように先を縛ってゴミ箱へ。ついでに近くにあったティッシュ箱から適度に取り出して、自分のモノについた精液を拭う。  そして。  まあ。……乾く前に拭き取ったほうがいいよな?  ティッシュを取って、リョウタさんの腹に滴っている白濁液もそっと拭う。  よし、あとは……。  あったかい濡れタオルでも持ってくるか。リョウタさんの身体汗すごいし。  うん、俺のせいだね。──反省してマス。  一息ついて立ちあがろうとすると、腕をクイッと掴まれる。 「ふーや……どこ、いくの?」  その質問が可愛くて、ふっと笑顔になってしまう。 「濡れタオル持ってくるだけだよ。すぐ戻ってくるからさ」  頭を撫でて、軽く口付けする。 「うん……」  哀しそうな顔。 「ちょっと待っててね」 「……うん」  ああもう可愛いなぁ、おい!  メチャクチャにキスして喘がせてやりたいけど、今はリョウタさんの体力も鑑みて自粛しろ俺。  そんな事を考えながら後ろ髪引かれる思いで、俺は濡れタオルを作りにその場を去ろうとした時。  タイマーが、──鳴った。

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