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第1話・生きた屍。(3)
すると肉壁はエイドリアンの楔を逃すまいといっそう強く咥え込む。
彼の魅惑的な肉壁で締め付けられた楔は、そのおかげでさらに肉壁の中で膨らみを増した。
男が彼の最奥を楔で貫き、深い抽挿を繰り返すたびに肉壁が擦られ、彼の中でくすぶっていた小さな炎が一気に燃え上がった。
室内には水気を含んだ淫らな音と、そして真紅の唇から弾き出される甘い嬌声が絶えず響く。
幾度となく繰り返される抽挿に、甘い疼きはやがて頭を麻痺させるほどの強い刺激へと変化し、彼はいっそう乱れ狂う。
そのたびに浅い呼吸が繰り返され、ふたつのツンと尖った胸の飾りが上下に動く。それはまるで、赤く実った禁断の果実のようだ。
エイドリアンは器用に舌先で果実を転がし、彼を刺激していく……。
華奢な腰を動かし、彼はもっと欲しいとこの行為を強請る、エイドリアンが楔を穿つたび、寝台が軋みを上げた。
彼の悩ましい甘い喘ぎ声が、エイドリアンの欲望をさらに募らせた。
エイドリアンは彼の華奢な腰を揺らし、中を刺激する。そしてまだ終わりではないと、口内にある鋭い犬歯を赤く実った果実に食い込ませた。
本来は痛みを伴う筈の行為は、しかし違った。彼をさらに絶頂の波へと誘う。
エイドリアンの口内には、彼が流す甘い血液が広がる。
美しい肢体に牙の跡が残らぬようにと丹念に舐めてやれば、彼の腰が大きく動き、肉壁がいっそう強く咥え込んだ楔を締めつけた。しなやかな肢体が弓なりに大きく反れた。彼が絶頂を迎えるのだと知ったエイドリアンはその妖艶な彼に満足し、うっすらと口元に笑みを浮かべた。
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