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第1話・生きた屍。(4)
その微笑はなんともいえない男の色香に溢れている。
彼は自分を組み敷く美しいエイドリアンの姿を目に入れると、耐え切れないほどの狂おしい射精感を感じた。
エイドリアンは彼のほっそりとした滑らかな首筋に顔を埋める。彼から発せられる生あたたかい肌の香りを鼻から吸い込むと、首筋をなぞるように舌を這わせ、鋭い犬歯を柔肌に刻む。
彼の身体がいっそう大きく反れる。肉壁の最奥に行き着いたエイドリアンを締め付けた。
――彼が流す血液は甘い。
男は彼の首筋に突き立てた牙から自分の体へと血液が回るのを感じ、目をくらませた。
獣のごとく唸り声を上げ、口内に広がる甘い血液を堪能しながら、そうして彼の中へとありったけの白濁を注ぎ込んだ。
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