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第2話・闇の狩人。(7)

 あれほど彼を深く組み敷いたのだ。いくら疲れ知らずの悪魔といえども本来挿れられる箇所ではない所でエイドリアンの欲望を受け入れ、血液を抜かれた。体力はまず簡単に回復しない。  エイドリアンは献身的な義弟を気遣い、艶やかなブロンドを宥めるようにして撫でた。 「貴方はまだ食事をしたがってる。渇望が治まらない? 瞳孔が開ききっている」  ユーインはエイドリアンと額を合わせ、ひと言告げると、自らの身体を差し出すように覆い被さる。  エイドリアンは醸し出される甘い香りに軽い目眩を起こし、もっと血を飲めと誘惑してくる誘惑から抗うため、唇を噛みしめた。  だが、それもうまくいかない。それもそのはず、妹のボーイフレンドは美しすぎた。  いや、容姿だけではない。仕草さえもが色香を含んでいた。  それはもしかするとエイドリアンが幾度となく彼を抱き続けたからなのかもしれない。  本来の男では有り得ないほどの艶を含んだ色香が彼から感じられた。 「苦しいんでしょう? 我慢しないで……」  ユーインはエイドリアンの小指と薬指付け根にできている剣タコをそっとひとなぞりすると、たくましい手を包み込む。  そうして両胸にある飾りをエイドリアンの口元に触れさせた。そうなればこの誘惑からは勝てない。エイドリアンは差し出された果実のような飾りを舌先でなぞるように優しく愛撫した。  ユーインはエイドリアンによってもたらされる愛撫に腰を揺らし、応えた。

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