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第7話・理性と欲望の狭間で。(3)
エイドリアンは細い首筋に牙を突きたて、自らの血液を流し込んだ。
しなやかに弓なる肉体は官能的で美しい。ユーインの動物的本能がさらなる官能を欲してエイドリアンのたくましい背中にしがみついていた。
ヴァンパイアが他人に牙を突き立てる行為はまさに性行為そのものだ。神によって異物へと変えられたエイドリアンは別ではあるが、ヴァンパイアにとって子孫を増やす手段はそれしか方法がない。
ゆえに、牙を立てられた時の快楽は性的解放の感覚に等しいものだった。
エイドリアンはユーインを苦しみから解放してやりたくて、下腹部へと手を伸ばす。彼自身に触れた。
やはり激痛のため萎えていた彼自身は膨らみはじめている。
エイドリアンは彼の首筋に流れる太い血管を破らないよう、できる限り丁寧にゆっくりと自分の血液を注ぎながら、彼自身の鈴口に親指の腹でなぞってやった。
そうすると悩ましい声は嬌声へと変化する。この行為が誰の手によるものかをあらかじめ知っているかのように、ユーインはエイドリアンの名を呼んだ。
やがてエイドリアンの血液がユーインの体内へと十分に行き渡ったことを感じたエイドリアンは、彼自身に追い討ちをかけるよう、根元から先端へと一気に指を走らせた。
細い肢体はさらに大きくしなり、そしてほんの数分、呼吸が止まったと同時にユーインの身体はベッドに深く沈み込んだ。
オーガズムを感じて荒々しい息をついていた唇は、次第に緩やかな呼吸へ変わった。最後にはため息にも似た甘い吐息が吐き出される。
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