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第7話・理性と欲望の狭間で。(4)

 その艶やかな姿を目にしたエイドリアン自身もまた膨れ上がり、ジーンズを押し上げている。  しかし、傷ついたユーインを抱くことは己の道理に反することだ。  エイドリアンは彼の首筋から牙を抜き取るとまた、彼の腹部へと唇を移動させ、傷口を消すための作業を続ける。  そしてエイドリアンの舌に惑わされたユーインはまた、悩ましい声を発しはじめた。 「エイ、ドリアン……?」  舌っ足らずな口調で彼を呼ぶユーインの声にはっとしたエイドリアンは顔を上げた。  睫毛というカーテンから顔を出したルビーの瞳は、焦点が合っていない。  一度達してしまったからだろう虚ろなその目がエイドリアンの視線と交わる。  先ほどまで悪かった血色は美しい陶器の肌へと変化し、生気が溢れていた。 「いったい……どうして……」 「君は俺の代わりに悪魔の餌食になった。だが、時期に傷も癒える」  エイドリアンは離した唇をふたたびユーインの傷口へと当てて舐めはじめる。 「っ、エイドリアン待って、もう止めて……!!」  ユーインの頬はエイドリアンによって与えられる快楽で赤く染まっていく……。 「美しい肌に傷がついてしまった。もうすぐで癒えるから待て」  しかし、エイドリアンは彼の置かれている状況を無視して傷を癒すことに専念する。  ユーインは限界だった。  一度は達してしまった身体にまた炎が宿り、熱で焦がされている。 「ダメ、お願い。今すぐ抱いて。身体が疼きすぎてどうにかなりそうなんだ」

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