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第7話・理性と欲望の狭間で。(5)
彼が言ったことはけっして大げさではなかった。
エイドリアンの胸板にある彼自身は反り上がり、また蜜が流れている。
「ならばまた達すればいい――」
エイドリアンはふたたび彼自身を包み込むと刺激しはじめる。
けれどもユーインはそれは違うと大きく首を横に振った。
「いや、違うっ!! お願い、後ろが疼く、欲しい、エイドリアンっ!!」
蠱惑的なその姿は、エイドリアンにとっても限界だった。
傷口はもう塞がりつつある。
彼が寝入った後からでも消してやればいい。
エイドリアンはそう自分に言い聞かせ、自身を戒めていたジーンズから引っ張り出した。
反り上がったエイドリアン自身は恐ろしいほど赤く膨れ上がり、流れている血管が脈打つように浮き彫りになっていた。その様をユーインの虚ろな目が捉える。
ユーインはエイドリアンも自分を欲してくれているのだと感じて胸が大きく高鳴った。
彼を受け入れやすいよう、できるだけ身体を開き、太い首に腕を回す。
エイドリアンは、ユーインの膝裏に腕を絡ませ彼の足を肩に乗せると後孔をあらわにさせた。
後孔はユーインが流す蜜で潤い、赤く色づいている。
自分を誘う妖しい光景に魅せられたエイドリアンは指を挿し込み、できるだけユーインに負担をかけないようになぞった。
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