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第7話・理性と欲望の狭間で。(6)
「いやっ、それ違うっ!!」
悩ましい声と共に揺れる腰は早く貫かれたいと欲求する。
その姿さえも官能的で、エイドリアンの雄としての、もっとも単純な動物的本能が刺激された。彼はそのまま指を後孔に挿し入れると肉壁に掻い潜らせた。ユーインが流した蜜をさらに奥へ馴染ませるよう、中をゆっくりかき混ぜてやった。
「エイドリアン、エイドリアン、それじゃないっ!!」
ユーインは快楽の涙を流し、けれど達しないようにと我慢しているようだ。快楽の涙が大きな目から溢れ出し、何筋にもわたって頬を伝う。
それは違うとエイドリアンの名を呼ぶ美しい赤い唇からは唾液が零れて流れ落ちていく……。その姿はまるで、敵を惑的する淫魔のように淫らで美しい。
「何が欲しい?」
わかりきっていることを尋ねたのは、エイドリアンの独占欲のせいだ。
これは自分だけのものだと、彼はヴァンパイアとしての本能でそう告げていた。
「エイドリアンをぼくに……お願い、貫いて……」
ユーインの唇からその言葉が出た瞬間、待ち構えていたエイドリアンは指を引っこ抜き、熱を孕んだ後孔へとひと息に貫いてみせた。
エイドリアンがユーインを煽ったからか、彼の肉壁がエイドリアンをきつく戒める。
エイドリアンもまた、自身の中で達しようとしているのを懸命に耐えている。
彼のその姿は男の色香を含んでいた。ユーインはさらにエイドリアンを強く締め付けた。
「ユーイン、あまり強く締め付けるな。君を酷く扱ってしまいそうになる……」
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