6 / 130

第5話

無駄に長いリムジンが着いたのはこの街では有名な高級倶楽部『夜来香』だった。 品のいい黒服にリムジンのドアを開けてもらい車から降りる。 入り口に居たい執事に深々と頭を下げ出迎えられて、無駄に煌びやかな回転ドアを抜けて中に入った。 さすが高級倶楽部。 社交界で見知ったばかりの顔がそこらじゅうにあった。 「いらっしゃいませ、李様。こちらへ。」 ベテランの執事に案内されて階段を上がって行った先は落ち着いた雰囲気の個室だった。 薄暗い部屋の中には座り心地の良さそうなソファーが窓の方に向かって不自然に置かれてる。 世蓮の腰を抱いたまま歩く颯天に続いてソファーに腰を下ろす。 窓にはヴェルヴェットの重そうなカーテンが下がってて 薄暗い部屋を照らすように眩しいくらいの灯りが差し込んでた。 「そろそろ始まるな?」 世蓮を挟んだ向こう側で肘掛けに凭れながら颯天が呟く。 俺はその声に導かれるように窓の外に視線を落とした。

ともだちにシェアしよう!