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第11話
「孝惟?どうした?だいじょ・・・」
「颯天、ベル!」
「はい?」
「いいからベルを鳴らせ!!」
ステージを見たまま叫ぶ俺に気圧されて颯天が慌てテーブルのベルを鳴らした。
アレが欲しい。
俺は無性にステージに立つ商品が欲しかった。
理由?
そんなの俺にも分からない。
深く考えもしなかった。
値段?
そんなのどうにでもなる。
俺は“勝ち組の中の勝ち組”なんだから。
商品がステージから降りた後も俺はその美しさの余韻が残るステージをただ見つめていた。
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