16 / 130
第15話
帰り着いてからの我が家は大騒動だった。
「坊ちゃん!これはいったいどういう事でしょうか!?」
出迎えた古狸が俺の後ろに隠れてたヒロを見るなり血管が切れるんじゃないか?ってくらいの大声を張り上げた。
「だから・・・坊ちゃんは辞めろって。」
メイドにコートを手渡し風呂の準備を言い付けて古狸と対峙する。
この絶叫は想定の範囲内。
颯天にも言われてた事だった。
「何なんですか?その汚い物は。」
あからさまに嫌悪感を出す執事に長い付き合いの俺でも嫌気がさした。
汚い物って・・・
「ヒロは立派な人間だ。物扱いするな。」
不機嫌丸出しで呟けば一瞬古狸が怯む。
「コイツはヒロ。今日から俺の家族だ。みんなもそのつもりで居てくれ。」
口を噤んだ執事を余所に周りに居たメイド達に言い付ける。
この家では若かろうが俺が一番の権力者。
誰も俺には逆らえない。
「行こうか、ヒロ。」
状況を黙って見つめてたヒロの手を取ると。
呆然と立ち尽くす古狸の横をすり抜けて自室に戻った。
ともだちにシェアしよう!