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第11話

数分でオークションは終了した。 会場内に僕を落札した人は見当たらない。 ステージを降りる瞬間、目線を少し上げた先の窓を見つめる。 そこはこの店で3部屋しかない個室。 VIPしか入れない場所で、おまけに中央の部屋はVIPの中のVIPしか使用が許されていない。 その窓辺には3人の男がまさに“高みの見物”をしてた。 左の整い過ぎた顔の男は優雅に肘掛けに肘を付きワインを揺らめかせ。 その男に寄り掛かった端正な顔立ちの男はステージなんか見てなくて、髪を弄る男の横顔を優しい眼差しで見つめてた。 そして・・・ 右の男はせっかくの凛々しい顔が台無しになるくらい惚けた顔でステージを・・・いや、僕を凝視してた。 その時僕は何となくこの男に買われたんだと感じて ステージ袖から呼ぶ従業員の声を無視して暫くそのマヌケ面を晒す男を見上げてた。

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