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第5話

「あら?お取り込み中だった?」 ノックも無しに開かれたドアからは予想もしてなかった声が部屋に響いた。 「朝っぱらから騒がしいな?」 ヒロを腕に収めたまま上半身を起こすと、不敵に微笑む悪友を軽く睨んだ。 「シアがね。どうしても美人に会いたいって聞かないから。」 「シア?」 聞き慣れない名前に聞き返すと答えより先に本人が部屋に飛び込んで来た。 「ヒロ!!」 「遵!?」 満面の笑みで走って来たのは昨日世蓮に買われた遵だった。 「こら!突然失礼ですよ!?シア。」 遵は少し遅れて来た世蓮の制止も聞かずに一目散にベッドまで走って来ると。 俺の腕の中で状況が呑み込めてないヒロを俺から引き剥がすとギュッと抱き付いた。 「どうしたの?こんな朝早くに。」 「ヒロが心配で・・・大丈夫?何もされてない?」 ヒロを奪われた挙げ句、酷い言われような俺は爽やかな朝とは裏腹に複雑な心境だった。

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