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第16話
颯天と世蓮とテラスに移動して年代物のワインを味わう。
世蓮の自慢話やちょっと真面目な話をしながら有意義な時間を過ごし、気が付けばもうかなり深い時間が経っていた。
「もうこんな時間ですね・・・そろそろ休まないと明日に響きますよ?」
ご機嫌な颯天の腕に撓垂れてた世蓮が大きな掛け時計を見て言った。
「そうだな。孝惟、客室を使って。ヒロは後で届けるから。」
颯天の言葉に頷くとこの屋敷に泊まる時にいつも利用してる客室に向かった。
用意してある夜着に着替えてベッドで寛いでると。
世蓮に連れられてヒロがやってきた。
「ゆっくりおやすみ下さい。」
世蓮が深々と頭を下げると部屋を出て行った。
「ヒロ、おいで。」
手招きすると従順にヒロが俺の元へやって来る。
そっと手を引けば胸の中に堕ちて来た。
「今日は楽しかった?」
髪に顔を埋めて聞けば小さく頷く。
「楽しかったです。でもね・・・孝惟さんと早く2人で過ごしたかった。」
そんな殺し文句を胸の中で呟くとヒロは背中に腕を回して抱き着いて来た。
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