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第19話
他人の行為を見るのは初めてじゃない。
まだ若い頃に悪友(今、目の前で快感を貪ってるヤツ)に連れられて如何わしい店によく行っていた。
真ん中にガラス張りの小さな部屋があるその店は男女や男同士、女同士の淫らな行為を見せ物に酒を飲む場所で。
気に入ればさっきまでガラス張りの個室に居た人物を抱いたり抱かれたり出来るシステムだった。
性に関してあまり積極的ではない俺は酒が飲めればどこでも良かったから。
たまに颯天と面白くもないショーを見ながら他愛のない話をしてたっけ。
でも・・・
今は状況が違う。
あの時は知らない商売人たちの行為だったから何とも思わなかったけど
目の前で今まさに繰り広げられてる行為に俺は複雑な心境だった。
嫌・・・・・・・・・じゃない。
それがまた厄介だった。
汗の滲む額に張り付いた髪も。
時々甘い吐息を生み出す形のいい喉仏も。
白い線で象られた淫らに動く腰も。
全てがいつもは飄々としてる颯天とは違って妖艶で、息を飲むほどに美しくて思わずその場から離れられなくなってた。
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