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第15話

「謝る事はないよ。世蓮の事は颯天から確かに頼まれたよ。でもね・・・」 残り少なかった紅茶を飲み干すと、小さな音を発ててティーカップがテーブルに置かれた。 「ヒロを屋敷に置いとくのが心配だったんだよ。」 そう言って苦笑いした。 孝惟さんの家はこの家よりかなり厳しい執事が居る。 僕の素性も知ってるせいか孝惟さんの所の執事は僕を毛嫌いしてた。 まぁ、お金で買われた僕なんかを普通の目で見てくれる方が少ないんだけどね。 「厳しいですからね。近衛家の執事は。」 「あぁ。世蓮にもいつも嫌な思いをさせてすまない。」 こうやって孝惟さんはいつも僕を気遣ってくれる。 それだけで僕は救われてる。 「僕は大丈夫です。たまにしか行きませんから。でも・・・ヒロは大変ですね。」 あの家で暮らす。 それは凄く大変だと思う。 「大変だろうな・・・でもヒロは大変だって一言も言わないんだ。それがまた可哀想で・・・」 心配させたくなくて無理してるヒロ。 無理してるのを見てるのが辛い孝惟さん。 お互いを想い合ってるのが痛い程伝わってきた。

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