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第2話

俺の願いも虚しく、会議が終わったのは外が暗くなってだいぶんたった頃だった。 「お疲れ様です、颯天様。」 会社に用意されたプライベートルームのソファーにダイブした俺に労いの言葉が掛かる。 「疲れた。なぁ、アレに俺は出なきゃいけなかったか?」 正直、今回は出席しなくても良かったように思うけど・・・ うつ伏せのまま顔だけ横を向けてすぐ側に立つ相手を見上げる。 「会議には毎回出て貰わなくては困るんです。今回は特に。」 苦笑いを浮かべてそう言われたら毎回会議に出てない俺は返す言葉がない。 「苦労掛けるな?金(キム)。」 「いいえ。これが私の仕事ですから。」 この有能な秘書を残してくれた父親には感謝しなきゃな? 「今日はこれで会議は中断しますのでゆっくりお休み下さい。」 深々と一礼して金が部屋を後にする。 ここは屋敷と違い夜は殆ど人気が無くなる。 不気味なくらいの静寂が部屋の中を満たす。 1人には慣れてた筈なのに・・・ うつ伏せだった体を反転させて天井を仰ぐ。 年代物の掛け時計が時を刻む音だけが耳に響いてウルサい。 会いたいなぁ~世蓮に。 まだ1日も経ってないのに無性に恋しくなる。 世蓮もそう感じてくれてるだろうか? ウルサい時計に視線を向ける。 今ならまだ大丈夫かな? 考えるより先に体が動いてスーツの上着を掴むと、息が詰まりそうな部屋を飛び出した。

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