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第5話

胸に感じた軽い衝撃を受け止める。 「颯天・・・本物だ。」 肩口に顔を埋めて呟いた言葉に笑ってしまう。 「偽物じゃないみたいだよ?」 髪に顔を埋めて呼吸すれば俺の大好きな世蓮の香りに包まれた。 「仕事じゃ・・・・・・・・・?」 「抜けて来た。明日の朝にはまた帰らないといけないんだ。」 抱き付いたままの世蓮をベッドに沈める。 燭台の灯りが映る大きな瞳が俺を捉えた。 こんなに愛しい人と1日でも離れるだなんて無理。 俺には世蓮が必要なんだと改めて実感する。 「あ゙~このまま世蓮を連れて行きたい。」 ベッドに沈む世蓮の髪を梳く。 片時も離れたくない。 1日中側に居て触れてたい。 そう想うのは欲張りなんだろうか? 「・・・く・・・は・・・」 「うん?何?」 微かに聞こえた声に聞き返すと、大きな瞳を潤ませてもう一度言葉が紡がれる。 「僕も・・・離れたくないです・・・」 明るかったら見れたかな? 世蓮が顔を真っ赤にした所を。 見れなかったのはちょっと残念だけど素直な言葉が聞けたから今は充分。 もう言葉は要らないな。 後は全身で世蓮を感じたい。 俺を見上げる瞳に微笑むと、甘い唇に深く深く唇を重ね た。

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