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第5話

「少しの間、ここに来れないかもしれないんだ。」 たくさん可愛がって貰ってベッドで腕枕をしてくれてた幸神さんが、僕の髪を弄りながら呟いた。 「え?」 驚いて顔を上げると困り顔で僕を見る幸神さんと目が合った。 「この街には4年に1度大きな会議があるのは知ってる?」 前に楼主からちょっとだけ聞いた事がある。 このガルーダには4人の『王』と呼ばれる人が居て、それぞれが経済や治安などを統括していて。 その『王』達がそれぞれ持ち回りで会議を開いて、この街の事を色々話し合うらしい。 「その会議に幸神さんも関係あるの?」 「一応ね。『王』達の話し合いの他にも俺達の仕事の話し合いもあるからね。」 顔を上げた僕を自分の胸に引き寄せて愛しそうに頭を撫でる。 幸神さんはよくこうやって僕を甘やかしてくれる。 この気怠い甘い一時が僕は大好きだ。 でも・・・ 「どのくらい・・・ですか?来れないの。」 程よく筋肉の付いた胸に顔を埋めたまま聞いてみる。 ここの所毎日の様に来てくれていたから会えないと聞くと寂しい。 「どのくらいだろう・・・でも時間が開けば会いに来るよ。」 僕の寂しさを感じたのか幸神さんは優しく頭を撫でながらそう言ってくれるけど。 不安は消える事は無くて。 「幸神さん・・・もう一度、抱いて。来れない分も僕を可愛いがって・・・」 上目遣いでオネダリすると、優しく微笑んで唇を塞がれる。 「そんな可愛い事言って・・・今夜は寝かせてやれないよ?」 さっきまで沈んでいたベッドに身体を縫い付けられる。 僕を見下ろすこの瞬間の、男臭い幸神さんの顔が好き。 こんなにも僕を求めてくれるって実感できるから。 「寝なくても・・・大丈夫、だから。」 首に腕を回して引き寄せると自分から舌を絡めた。

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