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第6話
幸神さんが来なくなって2週間が経った。
来れないかもって聞いた時、僕は2、3日の話だろうと高を括っていた。
でも。
1週間が過ぎて10日が経った頃に「来れない」と言われた意味を痛感した。
「大丈夫か?食欲無いみたいだけど・・・」
自室の窓辺に寄りかかって外をボーッと眺めてる僕に響が心配そうに声を掛ける。
「幸神さん、来ないね。」
「外はバダバタしてるからな。当分、来れないって言ってたんだろ?幸神様は。」
窓枠に両腕を組んでその上に顎を乗せて頷く。
当分ってどのくらいなのかな?
あと何日待てば幸神さんは来てくれるのかな?
ほぼ毎日来てくれてたから、こんなに会わないと不安になる。
グルグル考えてるとだんだん気分が沈んでいった。
「ほら、少しでも食べろ。そんなんじゃ幸神様が来た時心配するぞ。」
頭を優しく撫でられても浮上しなくて、大きなため息が口から漏れたその時。
部屋の電話が煩い位に鳴り響いた。
動くのも億劫で無視を決め込んでると、近くにあった響の気配が消えて電話の音が鳴り止んだ。
「はい。居ます。・・・はい、はい。分かりました。」
短い会話の後に電話は切られて響がまた僕の元へと歩み寄ってきた。
「お客様?」
「いや、楼主様が呼んでる。部屋に来るようにって。」
他の事なら絶対断るけど、楼主が呼んでるなら仕方ない。
全く気乗りしない僕はのろのろと立ち上がると響に促されて楼主の元へと向かった。
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